小児科 すこやかアレルギークリニック

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道は拓ける
2019/07/18
食物アレルギーの診療に最も重要なのは、食物負荷試験だと言われています。

卵やミルクの抗体が上がってくると、乳児の場合は卵や乳が未摂取のことがほとんどのため、食べられるかどうか分からない訳です。

そこで負荷試験の出番だと思うのですが、他院の指導に納得いかないという患者さんは当院に駆け込んでこられます。最近では3ヶ月除去とか、6ヶ月食べるなとか....。

卵や乳が未摂取だと言うことは、卵や乳にアレルギーがあるか分からない状態です。この状況で除去を指示するのは、問題を先延ばしにしているだけではないでしょうか?。

逆に、未摂取で抗体が高い状況を放置するのが良くないと考えています。私の感覚では、できるだけ若いうちに食べ慣れさせることが重要です。

昨日、「論より証拠」と題して、当院の乳児の負荷試験の状況を具体的にお話ししました。実は、負荷試験でアレルギー症状が誘発された赤ちゃんもいます。

負荷試験をやって、症状が出たら除去の指導をする専門医もいると思います。負荷試験をやっているくらいですから、相当にこだわりのある診療をやっているのだと思います。

負荷試験は、食べられる、食べられないの判断をする検査ではありません。仮に症状が出てても、症状が誘発された量よりもさらに少ない量を食べさせるための検査です。とにかく食べることから逃げてはいけません。医師からそう言われてもです!。

当院のデータでは、生後1ヶ月でミルクでアナフィラキシーを起こした赤ちゃんもいますし、卵やミルク、小麦でも負荷試験で症状を起こしたお子さんもいます。

それでも“食べられる量”を食べさせていけば、道は拓けるのです。先ほども述べた通り、負荷試験で食べられることを確認できたり、症状が出てしまっても、そこから“食べられる量”を設定して食べさせていくのです。

昨日の対象は、生後まもなく湿疹で当院を受診した赤ちゃんが対象です。食物アレルギーになることを見越して対応しています。そして、多くの例が卵や乳、小麦を何の問題もなく食べられています。

これから起こるであろうことを予想して、問題から逃げることなく、早め早めに対処していけば、多くのケースで克服できそうだと考えています。

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