小児科 すこやかアレルギークリニック

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種明かし
2019/07/25
昨日のお話は、どう思われたでしょうか?。

卵と乳、いずれも食べてアレルギー症状が出ており、血液検査も卵白4、ミルク3、オボムコイドという加熱卵白はクラス5でした。普通は「除去」となりますよね?。

ちなみに、食べさせて症状が出て、血液検査で裏付けを取っています。卵は生後9ヶ月の時、乳は1歳の時に発覚しています。

受診は、1歳1ヶ月でした。せいぜい4ヶ月しか経っていない訳です。乳に至っては、発症直後といえる程です。「じゃあ、やっぱり除去でしょう」となると思います。

いやいや、何を食べて症状が出たかがポイントなのだろうと考えています。ちなみにこの患者さんは、卵は卵おじや、乳はヨーグルトを食べています。つまり“そのもの”なのです。

この年代は、だいたいそうだと思います。アレルギーの気があり、知らずに“濃いもの”を食べさせて症状が出てしまった格好です。逆に、卵白やミルクが陽性であり、その状況で卵おじや、ヨーグルトなんて食べさせれば、症状が出て当たり前だと考えています。

では、どうしたらよいのか?。相手(食物アレルギー)が怒っている訳ですから、下手に出るしかないですよね(笑)つまり、“薄いもの”は食べられる可能性が高いと考えます。私からすれば、食べられて当然だと思っています。

今回は、卵クッキー、牛乳少量で負荷試験を実施しました。医師側が欲を出して、“濃いもの”をどうにでも食べさせようとすれば、アレルギーを出して終わりという結果は見えています。

以前も書いたと思いますが、低年齢の時は、食物アレルギーがまだ寝ぼけています。成長につれ、除去を継続するにつれ、病気が覚醒していくという感じだと思っています。言い方を変えれば、眠っているライオンを起こさずに、慣れさせてしまいたいのです。

当院のやっていることは、危ない橋を渡ろうとしている訳ではなく、まさに「危ない橋を叩いて渡っている」ということがご理解いただけると思います。

種明かしという言葉が適切かどうかは分かりませんが、学会のいう「必要最小限の除去」に則っていますよね?。その積み重ねが重要だと考えています。

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