日頃、一生懸命診療していて、気づいたことがあります。 日本のアレルギーの考え方は、ちょっと違うんじゃないかと...。 例えば、アトピー性皮膚炎。診断基準は、「湿疹の存在」、「かゆみ」、「2ヶ月以上の慢性の経過」の3つが揃うこととされます。そのために、経過の長い、ものすごく悪い湿疹じゃないとアトピー性皮膚炎と診断してはいけないと考える医師があまりにも多いと思います。 実は、繊細な目で診ていると、軽度な湿疹であったり、大してかゆみが確認できなくても、アトピーであることはあると感じますし、また2ヶ月以上経たなくてもアトピーと考えられ、食物アレルギーも悪化することもあります。 少なくとも食物アレルギーを考えた場合、今の診断基準では対応が難しいことが分かります。多くの医師が経過が2ヶ月以上経っていても、「まだアトピーではないだろう」と思っているようです。 多分、アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症の程度がピンからキリまでの湿疹群であって、医師が勝手に「湿疹」、「かゆみ」、「慢性の経過」と定義しているだけなのでしょう。これでは、程度の強いアトピーしか捉えられないのではないでしょうか?。 アトピー性皮膚炎の病気の考え方を変えていかない限りは、食物アレルギーを減らすことは難しいと思います。 そこに気づく医師が増えない限りは、後手後手に回ってしまい、食物アレルギーも増え続けるものと予想しています。 |
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