小児科 すこやかアレルギークリニック

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過敏性
2019/08/29
昨日、講演に行ってきました。

かなり重症な卵アレルギーの患者さんでした。誤食事故で、「もう食べたくない」となっているようで、さら難しくなってしまいます。

ぜんそくには、病態に「気道過敏性」が重要とされます。要は、ゼーゼー、ヒューヒューを繰り返しているうちに、より気管支が反応しやすく、ゼーゼー言いやすくなってしまうということです。

ぜんそくが重いと、それは「気道過敏性」が増している状態を意味し、ちょっとしたことで強く咳き込んだり、ゼーゼー言ったり、呼吸困難を起こしてしまいます。例えば、走ったり、笑ったり、冷房の利いたスーパーに入って気管支が急に冷やされたりしただけでも、発作に結びついてしまいます。

私の認識では、ぜんそく発作を繰り返すことで、気管支が“研ぎ澄まされて”、相当発作を起こしやすくなってしまうので、ぜんそくの治療とは、発作を繰り返させないように、日々治療していくことが重要だと考えています。

ぜんそくに関しては、この「気道過敏性」はよく使われるワードだと思います。悪化した状態を「気道過敏性が亢進する」と表現します。でも、これって他の病気でも同じだと思うんです。

アトピー性皮膚炎も、慢性のアレルギー疾患です。皮膚の状態は落ち着きつつあったのに、ある日ちょっと体を掻き出したら止まらなくなって、皮膚の状態が一気に悪化してしまうことを経験します。

アトピーの軽い方はそこまでのことは起きず、重症な患者さんのみ、こうなるようです。先ほどの「気道過敏性」と同様で、こんな言葉は存在しませんが、アトピーの重症な患者さんでは、「皮膚過敏性」が亢進していると思っています。

こうなると、治療は厄介です。こじれているので、そう簡単に皮膚を落ち着かせることは困難になってしまいます。

そして、食物アレルギー。これもちょっと口にしてアナフィラキシーを起こす患者さんっていて、卵なら卵、乳なら乳に対して、体の過敏性が増していると思うんです。言わば「食品過敏性」って感じでしょうか?。

喘息もアトピー性皮膚炎も「過敏性」を亢進させないために、内服や吸入、軟膏塗布により日々治療をして、症状を落ち着かせる努力をすることが重要です。

食物アレルギーの治療といったら“食べること”なので、完全除去することなく、少しずつ食べさせていくことではないかと考えています。食物アレルギーに関しては、過敏性が増してしまうと、少量でも食べさせることが困難になります。と同時に、治りづらくなります。

そう考えると、アレルギー疾患はどれも基本的に同じと考えられ、「過敏性」を亢進させないという姿勢が重要だと思っています。

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