小児科 すこやかアレルギークリニック

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そうならないように
2019/08/30
当院の診療結果を集計したものの中に、興味深いものがいつくもあります。

生後1ヶ月から11ヶ月まで、月齢別にみていった場合、生後1、2ヶ月では卵の感作はほとんどないのですが、3ヶ月以降から卵白が陽性の割合が増えてきます。

これは、時々お話ししていると思いますが、卵が陽性であっても、月の進行とともにクラス2ではなく、3とか、4、5という高い数字が増えてくるのです。

これは、“湿疹”が、治療が十分なされずに長い期間残っていると、卵が入り込む「量」が増えるのか、「期間」に比例するのかなと考えています。その結果、数値が徐々に高い割合が増えていきます。

これからすると、乳児期の湿疹は、いつも言うように「乳児湿疹」などと言われて、過小診断、過小治療が繰り返されることが多いのですが、そうしてはいけないことを表していると言えるのではないでしょうか?。アトピー性皮膚炎の湿疹は野放しにしてはいけないのです。

当院の臨床の結果でも、卵白のクラスが高いと、卵黄というわずかな量の卵成分でも症状が出る人が増えてきます。湿疹があると、卵アレルギーに傾くことはなかなか阻止しづらいのですが、卵の数値が低いうちに、負荷試験で卵を食べさせていくことが重要だと考えています。

当院では、まずいませんが、乳児期にアトピーの湿疹がひどく、アレルギー採血した時にはすでに卵白がクラス5とか6になっていて、医師から「卵は除去しなさい」とダラダラ除去を継続していた患者さんが重症な卵アレルギーになっているようです。

そうならないようにするには、成育医療研究センターの研究からも言えるように、
1)アトピー性皮膚炎の治療
2)生後6ヶ月から少量の卵を食べさせる
以上の2つが極めて重要です。この研究結果は知っていても、実際に臨床の場で実践していない医師があまりにも多いのです。

敢えて言えば、医師の指示に従っていて、卵アレルギーが重症化しているかもしれないのです。

愛する子どものために、それだけは避けたいと思いませんか?。

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