小児科 すこやかアレルギークリニック

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皮膚治療
2019/09/05
昨日、当院の啓発イベントである「すこやか健康フェア」について触れました。

いつも食物アレルギーの第一人者の先生をお招きしてきましたが、今回はアトピー性皮膚炎治療の達人である江藤先生を講師に選びました。

その心は?。

食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の皮膚治療は切っても切れない関係にあるからです。食物アレルギーの発症に関しては、皮膚以外のルートもあると考えられていますが、個人的にはほとんどが皮膚からだろうと考えています。

今の日本では、簡単に言えば、「ひどい湿疹のみがアトピー性皮膚炎である」と考える小児科医、皮膚科医が多いのが現状のようです。

ですから、軽いアトピーはまず見逃されています。軽度の湿疹でも「経皮感作」は起こしてしまうので、一番感作を受けやすい卵の侵入を許してしまうのでしょう。

食べ物を侵入を許さないためにはどうするか?。皮膚の炎症のある部位から入り込んでしまうので、その炎症を抑える必要があります。正常の皮膚からは食べ物は入らず、荒れた皮膚から“本来口から入ってくるもの”(食べ物)は入ろうとすると、それに対して免疫を作ってしまうと捉えるといいと思っています。

以前から、重症なアトピー性皮膚炎の患者さんは、重度の食物アレルギーを合併しやすいとされてきました。多分、湿疹の面積が広ければ、いろいろな食べ物が入り込むスキが大きいということでしょうし、湿疹も重症なので皮膚を落ち着かせるのも難しく、治療に時間もかかるので、時間的にも変な言い方になりますが、ゆっくり時間をかけて食べ物が入ることができるという感じでしょうか?。

では、どうすればいいのか?。アトピー性皮膚炎の湿疹を早く見つけ、しっかりと治療してしまえば、食べ物の入るスキを与えなくて済むのではないでしょうか?。

ですから、アトピー性皮膚炎を診断し、徹底的に治療できる先生を今回のフェアの講師としてお招きしたのです。この対応は、食物アレルギーを発症するひとつ前の段階で対応してしまおうというのもです。

アトピー性皮膚炎があるからって、食物アレルギーになるとは限らないでしょう?という意見もあるかもしれません。湿疹があれば、8割は卵アレルギーに傾くという報告もあります。当院では3分の2の患者さんです。

少なくとも、湿疹があれば、「食物アレルギーになるかも?」と心配する必要があるし、早く対応して悪いことは何もないと思います。

また、アトピー性皮膚炎は慢性の治りにくい疾患ですが、中途半端な治療をする小児科医、皮膚科医がほとんどです。それでは食物アレルギーは止められません。

多くの人が、湿疹をみたら食物アレルギーを心配するくらいの状況を広めていきたいと考えています。

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