小児科 すこやかアレルギークリニック

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方針2
2019/09/12
昨日の引き続きまして..。

やはり、乳児期早期から湿疹があり、卵アレルギーがあるのを気づいていなかった症例です。

9ヶ月時に卵ボーロを自宅で与えて、発赤、痒みがあり、前医で調べてみたら、卵白がクラス4だったというケースです。

いつも言っていることですが、アトピーの湿疹から経皮感作で卵アレルギーを引き起こすことがほとんどです。その湿疹は、診る人が診ればアトピーだと気づくと思うのですが、多くの医師がひどい湿疹で、経過の長いものしかアトピー性皮膚炎だと言わないと考えているようです。

要は、「アトピーを見逃さないぞ」という姿勢で湿疹の診察をする必要があると思うのですが、湿疹は“乳児湿疹”に決まっているという先入観が邪魔をしているように感じています。

結果的に、経皮感作を許し、卵白が高値を取る場合は、要注意です。9ヶ月とかでもそうですが、あわてて卵焼きを食べさせる必要もないので、卵黄から与えていくべきだと考えています。そうしないと、一部の患者さんは、卵アレルギーを発症してしまいます。

できれば、湿疹のある患者さんは、離乳食を開始する前に卵の感作をみておいた方がいいと考えています。低ければ、自宅で食べさせる、高ければ、医療機関で負荷試験をするのが安全だと思っています。

今回の患者さんも、卵ボーロで症状が出たので、少量の卵で症状が誘発されており、重症であることが分かります。茹でてすぐに分離した卵黄で負荷試験を行いました。

結果は、特に問題なく食べられています。負荷試験で食べられたものは、自宅でも食べられた範囲内で食べ続けてもらおうと考えています。

やはり、症状を起こさない量を食べ続けることって大切なことで、昨日のように、1歳くらいになったら卵クッキーで負荷試験を行っていく予定です。こういう患者さんは、あわてて卵焼きを食べさせようとすれば、アレルギー症状を起こしてしまうはずで、足場を固めて少しずつ食べさせていくことがポイントだと思っています。

私の中では、わずかな量で反応を起こした結構重症な卵アレルギーだと思っていますが、このようにやっていけば、治るだろうとなと考えています。

これが当院の方針です。

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