小児科 すこやかアレルギークリニック

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数段階
2019/10/04
当院は、開院当時の12年前から卵などは3段階に分けて、負荷試験を行なっています。

卵焼き1個を食べさせようとすれば、一気にいき値をオーバーし、アナフィラキシーを起こす可能性があります。ですから、最初は卵クッキー程度で確実に食べさせるということをやってきました。

年齢が長じてくると、食べること自体が恐怖なため、クッキー程度から食べさせることは“心のリハビリ”にもなるのだろうと思っています。それと、多分、卵と小麦が一緒に焼かれているため、アレルギー症状を誘発しにくくなっているのだろうと感じています。

負荷試験は、いろんなやり方があることでしょう。自分の中では、リスクもほとんどなく、確実に食べ進めていけるこのやり方を継続しています。

乳や小麦アレルギーもそれなりの頻度はありますが、ミルクやうどん、そうめんを用いて0.1mlとか、そうめん1センチなど、ごく少量から負荷し、量を増やしています。

実際、食物アレルギー診療ガイドラインにおいても、卵、乳、小麦は3段階に分けて負荷試験を行うようにと最近なりました。当院としては、以前からやっていたことですが、学会のお墨付きということで、やりやすくなりました。

ただ、負荷試験は卵、乳、小麦だけをやっていればいい訳ではありません。ピーナッツ、ソバ、エビなどいろいろあります。

これらのアレルゲンは採血結果が高いと、除去されることが多く、全く食べたことがないなんて状態のことも多いのです。それだと、微量で反応を起こすのか、意外と食べられるのか、まったく分かりません。まあ、これは卵、乳、小麦についても言えることですが...。

要するに、ナッツ類、ソバ、魚介類についても、段階別に負荷試験をやった方が安全なのに、その記載がないように思います。それでも、当院は負荷試験をやっていかねばなりません。

先日、カシューナッツで負荷試験を行いました。当院には、カシューナッツクラス0でもアナフィラキシーを起こしたケースの経験があります。慎重にいかねばなりません。

最初は、0.1gから。1gからでは恐ろしすぎます。状態を見ながら、徐々に増やし、最終的に2個食べたところで、本日は終了ということにしました。最終的には5粒くらいが目安だと考えていますが、2粒も食べられれば、十二分とも言えます。

ガイドラインに沿ったことしかしないと考える真面目な医師もいるでしょうから、この辺りもガイドラインに盛り込んでいかないといけないと思っています。

開始量の目安とか、何段階に分けての目標量だとか、まだまだ明らかになっていないことが多ように感じています。

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