小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

“常識”
2019/10/05
先日、隣町から患者さんが受診されました。

そもそも当院が食物負荷試験を行なっているのは、食物アレルギーかどうかを正しく診断するためと、食べられる量を知るため。食べられる量を知れば、家でも安全に食べ続けることができ、更に食べられる量を増やすことができます。

今回の患者さんは、1歳になったばかりでしたが、食後にじんましんと咳というアレルギー症状を来していました。今回、初めて食べたものが「カキ(柿)」なんだそうです。

地元の小児科に駆け込み、カキ(柿)アレルギーの診断を受けたそうです。

ちょっと待ったです。本当にカキが原因なんでしょうか?。カキのアレルギーはなくはないですが、まだあまり経験しないと思います。しかも、1歳ではかなり珍しいと思われます。

通常なら、アレルギー採血を行い、裏付けをとります。ただし、あいにく採血項目の中にカキは存在しません。

専門医ならどうするかと言えば、プリックテストを行います。検査用の針でカキを刺し、針先にカキの果汁をつけます。それで腕をチクリとやれば、アレルギーがあった場合、傷から果汁が染み込み、皮膚が腫れるというあんばいです。

逆に、果物アレルギーの診断は、このプリックテストが有効とされるのですが、多くの医師がやっていないところを見ると、食物アレルギーの診断をつける習慣がないからであろうと思われます。

専門医の常識から考えると、今回のようなケースでは、カキのプリックテストは行うべきです。アレルギー採血の項目がなければ、もはやプリックテストは避けられないと思います。

私が問診をしていく中で、頻度的にかなり珍しいこともあり、カキではないのではないか?と考えました。となると、真犯人を見つける必要があります。

食物アレルギーとは、初めて食べたものが原因とは限りません。普段食べていたとしても、いつもより多く食べて、症状の起こるボーダーラインを超えても発症してしまいます。

そういう目で見ると、ゴマの可能性が出てきました。ゴマなら、採血項目の中にありますし、アレルギー症状を意外と起こしやすいアレルゲンとされます。

ゴマの結果は、未着ですが、カキの皮膚テストはやや腫れました。腫れたと言っても、原因と確定できる訳でもないため、最終的には負荷試験が必要になると思います。

実は、少し前にも同様のケースにも触れました。食後にアレルギー症状を起こし、病院を受診した際、カニが原因だろうと診断されましたが、実際にアレルギー採血ではカニはクラス0でした。負荷試験をすることもなく、「どうせカニは食べなくてもいいでしょう」と言われたのみで、その曖昧な対応に不信感を持ち、当院を受診されています。

医師ならば、正しく診断して、病気を改善させる指導を行い、そうやって報酬を得るのが仕事のはずです。まず問診を行い、アレルギー採血やプリックテストなどで裏付けをとり、最終的には負荷試験でシロクロをつけます。それが“常識”なはずです。

敢えて言えば、“常識”のない医者が多すぎます。通常なら、自分がどこまでできて、どこからができないかを分かっていて、自分のできる範囲をオーバーしていれば、専門医に紹介するのが当たり前のはずです。そうしなければ、お金なんてもらえないはずです。

この文章を読んで、食物アレルギーの患者さんが、指導されたことに関して「あれ、変だ」と思えば、その医師は食物アレルギーをよく分かっていない医師ではないでしょうか?。

<<前の記事 一覧 次の記事>>