先日、0歳の赤ちゃんに卵黄で負荷試験をやりました。 アトピー性皮膚炎の湿疹から経皮感作を起こしてしまったのでしょう。卵白がクラス3に上がっていました。 こういう患者さんは、アレルギーの非専門医にかかると、「卵は除去しなさい」と言われることが多いのですが、最近では「少しずつ食べさせなさい」という医師もいたりします。 その結果、蕁麻疹が出て、かかりつけでなく、当院に直行される患者さんも結構いらっしゃいます。食物アレルギーの症状が起こると、心配になって専門医にかかりたがる人も多いようです。 アレルギー採血が陽性というだけでは、黄身を食べさせて症状が出るかどうかも分かりません。でも、陰性の人よりは症状を起こしやすいのは事実のようです。 当院では、検査が陽性の赤ちゃんは、負荷試験を行なっています。しかも、どれくらい卵成分が入っているか分かっているものを用いており、症状が出なければ、それを超えない量を食べていただいています。 卵を食べたことがなくても、卵白がクラス2よりも3、3よりも4、4よりも5というように症状の出る確率が高まるようです。ですから、非専門医の「自宅で少しずつ摂らせなさい」という全国各地で行われているいい加減な指導は、危険だと考えています。 今回の話に戻りますが、卵未摂取、卵白クラス3の赤ちゃんに負荷試験を行なったのですが、開始後しばらくしてから、嘔吐が見られました。実は、双子のお子さんが2人ともほぼ同時に吐き始めたのです。 食物アレルギーの症状は蕁麻疹、発赤などの皮膚症状が有名ですが、一切なく、咳も聞かれません。負荷試験を始めてから、2時間くらいが経っています。 実は、他の赤ちゃんで、自宅で卵黄を食べ、2時間後に嘔吐を繰り返すため、小児科を受診すると、時間が経ち過ぎているのと、蕁麻疹や咳など見られやすい症状が出ないこともあり、“胃腸炎”と診断されることが多々あります。 親御さんが「アレルギーじゃないですか?」と医師に確認しても、「アレルギーではない」と言われてしまったそうです。(つづく) |
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