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少し前に、市内の有名な皮膚科で「水ぼうそうではない」と言われ、不安になってその足で当院を受診してくださった患者さんの話をしました。
私は、水ぼうそうだと考えましたので、ちゃんと根拠を示さなければ、親御さんは更に不安になることでしょう。
そこで、水ぼうそうの水ぶくれを一つ潰し、中からの汁を検体に用いて、水痘であることを証明したと書きました。そう、インフルエンザやRSウィルスのようにクリニックで迅速検査が可能なのです。
昨日、また水ぼうそうの迅速検査を使う機会がありました。検査理由は、前回とは異なります。
水ぼうそうであると診断はできたのですが、念を押しての検査です。どういうことかと言いますと、このお子さんは水痘のワクチンを2回やっていました。しかも、家族でも園でも水ぼうそうはいません。
要は、とても水ぼうそうを発症しづらい状況なはずなのに、水痘を発症したと考えられるため、しっかりと白黒をつけるべきと考えたのです。
結果はご覧の通りです(画像)。どういう訳か、水ぼうそうを発症してしまったのです。
厚労省のホームページによれば、水痘ワクチンを1回やれば、重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘もその発症を予防できると考えられるとの記載があります。
医師によっては、その辺りの情報から「2回もワクチンをやっているんだから、水痘にはかからない」と言い切ってしまうかもしれません。
それにしても、親御さんも水痘にかからないようにあらかじめ2回のワクチン接種を受けていたにも関わらず、明らかに発症してしまい非常に気の毒に思います。
医療には、絶対ってないんでしょうね。 |