先日、卵黄の負荷試験で2時間後に嘔吐を繰り返した双子の話をしました。 アトピー性皮膚炎があり、食物アレルギーを心配してアレルギー採血を行ったら、卵白がクラス3でした。当院では、負荷試験を行い、少しずつ食べてもらっています。 いくら赤ちゃんとは言え、クラス3とか、もしくはそれ以上だと、負荷試験をやってみると、発赤やじんましんが出てしまうことがあります。ちゃんと卵アレルギーの症状を取ることが多いのです。 これは、いわゆる「即時型」と言われる症状で、食物アレルギーの典型的な症状と言えるでしょう。食物アレルギーの研修会などがあると、卵は小児では頻度が最多であり、皮膚症状>呼吸器症状>消化器症状の順で、症状が出るとされます。 それらは食べている最中もしくは、直後と言うタイミングで見られやすいとされます。これが食物アレルギーの典型的なパターンだと思われます。 しかし、今回の消化管アレルギーは、違ったパターンを取るのが特徴です。頻度の多い皮膚や呼吸器症状は見られずに、消化器の症状のみで、しかも、食べて2、3時間で嘔吐を繰り返すことが多いようです。 「消化管アレルギー」という病気がまだ医師にさえもあまり認知されておらず、小児科医でさえも胃腸炎だと勘違いしてしまうことが、残念ながら多いですね。 この消化管アレルギーは、IgE抗体を介さないと言われており、検査しても卵白やオボムコイドが陰性のことが多いようです。そうすると、なおさら「食物アレルギーではない」と言われてしまうようです。 しかし、今回は卵白がクラス3でした。どういう機序で起きているのでしょうか?。当院の経験でも、消化管アレルギーを思われるケースでは、クラス0ってことも多いですが、検査陽性のことも経験します。 いずれにしても、卵を食べて2、3時間しての嘔吐は、食物アレルギーの一種であり、そう診断されていない患者さんはそれなりの確率でいらっしゃるはずです。 私は今年から消化管アレルギーを知ってもらうべく、講演などで時間を割くようにしています。1日も早く多くの親御さんに知ってもらいたい疾患概念です。 だって、グッタリするまで何度も吐くこともあり、かわいそうな病気なんですから...。 |
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