小児科 すこやかアレルギークリニック

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締めくくり
2019/12/28
お陰さまをもちまして、本日、2019年の最後の診療を迎えることができました。

今年もできることをやったという1年だったかと思います。「当たり前の感想じゃん」と思われるかもしれません。

今年は、一応「アレルギーは治るのか?」という、普通の医師は考えないような大きな課題に取り組みました。

これも何度か書いていますが、「早期発見、早期治療」というキーワードを用いています。ガンだって、公表する芸能人も近頃は多いですが、早期に発見されたケースではみな無事に復帰されています。

ただし、アレルギーには大きな問題が横たわります。症状を繰り返さないと、診断してはいけないのです。確かに、診断をキチンとつけてからでないと、何も始まりません。

しかし、周囲の医師のやっていることを見ると、ぜんそくもアトピー性皮膚炎も症状を繰り返し過ぎて、かなり悪化してから、そう診断しているのです。これでは、早期発見、早期治療もへったくれもありません。

早期発見、早期治療にこだわってみてみると、多くの医師が診断をつけるのに慎重すぎるというか、かえって診断基準を守っていないことに気づきます。さんざん症状を繰り返して、悪化した状態で診断されているように思います。

まとめてみると、アレルギーを診断するためには、慢性の経過を確認する必要があり、診断の踏ん切りをつけるタイミングが多くの医師で遅くなっているようだということです。

私の秘策は何か?。「アレルギーマーチ」です。日本が誇る、アレルギー体質があると、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎の順で発症してくるというアレルギーの発症様式です。

多くの患者さんを診ていると、かなりの正確性を持って、アレルギーマーチが見られます。そのためには軽いアレルギーを見逃さないようにする必要があります。

アトピーがあれば、食物アレルギーがないかアレルギー採血を行い、探しにいきますし、アトピー、食物アレルギーとくれば、「次はぜんそくが出てくるはず」と待ち構える訳です。こうすることで、食物アレルギー、ぜんそく、鼻炎はいとも簡単に早期発見ができます。

最大の課題は、アレルギーマーチの最初のアトピー性皮膚炎を見つけること。

アトピーは時間をかけてこじれて、ガサガサ、ゴワゴワの皮膚になるため、早期の診断は難しいし、そもそも日本のルールを逸脱することも考慮に入れなくてはなりません。

アトピー性皮膚炎の早期発見にこだ割さえすれば、食物アレルギー、ぜんそく、鼻炎の診断はあとからついてくるということです。

こう書くと簡単に見えますが、ここが一番難しいようです。しかし、生後1、2ヶ月の時点で間違いなくアトピー性皮膚炎だろうというケースは結構ありますし、判断が難しくても、アトピーの存在を疑った上で様子をみていると、アトピーを発症してくることも多いのです。

この1年で、それなりに上達したのかなと考えています。これからのアレルギー診療は、これに限ると考えています。間違いないでしょう。

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