小児科 すこやかアレルギークリニック

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負荷試験の目的
2020/01/17
医師から「抗体価が高くても食べられることがあるので、負荷試験をやりませんか?」と言われたことはありませんか?。

間違ったことは言っていないと思いますが、ちょっと違うんじゃないかと思っています。

それはどういうことか?。

いまだに多くの医師が、アレルギー採血が陽性でも、食物アレルギーがない場合があると考えているようです。

例えば、卵白がクラス6だと、症状が誘発される可能性は100%だとプロバビリティカーブはそう物語っています。しかし、クラス6でも卵クッキーは食べられることが多いし、数ヶ月ごとにカステラ、卵焼きとランクを上げて負荷試験をやってみると、多くが卵焼きを完食できます。繰り返しになりますが、卵白がクラス6でもです。

要は、卵アレルギーがあるのに、少しずつ食べさせて、ランクを上げるうちに治ってしまったということなんだろうと考えています。

こういう患者さんに、「卵アレルギーはないかもしれない」ということで、一気に決着をつけようと卵焼きで負荷試験をやることは危険だと思っています。だって、参考にすべきプロバビリティカーブでは100%症状が出るのですから。

負荷試験には、食物アレルギーの有無をハッキリさせるという目的はあるのでしょうが、クラスが高い場合は、リスクを伴います。では、リスクが高いから、食べさせないということでは、何も変わらないし、かえって食べられなくなるかもしれません。

卵アレルギーならば、経験上、卵クッキーなど食べられれば食べさせることが重要です。そもそも“必要最小限の除去”が大切なポイントです。にも関わらず、立ち止まってしまい、除去継続になってしまうケースが多いのだろうと思っています。

こういうケースでは、卵焼きを無理やり食べさせて白黒つけようとすることではなく、卵クッキーを食べられることを確認する負荷試験を行うべきだと思います。

食べられるものを確実に食べて、足場を固める目的で負荷試験を行うべきなのだろうと考えています。

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