小児科 すこやかアレルギークリニック

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クラス6
2020/01/25
日々、負荷試験をやっていると、クラス6という最高値の患者さんに実施することもあります。

「クラス6だから除去とは誰が決めた?」って感じです(笑)。クラス6だって、わずかでも食べられるはずで、それを食べて、症状さえ起こさなければ「必要最小限の除去」を実践できることになりますから。

ただ、以前に比べると、クラス6の患者さんはなかなか見なくなってきているようです。それと食べていると、数値は下がりますからね。6が4とか3に下がってくることもよく経験します。

先日、タコがクラス6の患者さんにタコを用いた負荷試験を実施したことは触れました。タコがクラス6って滅多に見ません。

やはりよく見るのは、卵、ミルク、小麦でしょうか?。でも、どういう訳か減っているようです。

実は、つい先日、アトピー性皮膚炎の患者さんが市外から受診されましたが、卵白がクラス6でした。ちなみに、オボムコイドという加熱卵白はクラス5。

当院では、久々のような気がします。クラス6についてですが、乳幼児の場合、やはりアトピー性皮膚炎の湿疹の程度が重く、治療がうまくいっていない人がそうなりやすいように思います。

要するに、アトピー性皮膚炎の程度が悪いと、湿疹の面積が広かったりします。それだと、卵やミルクの付け入るスキが多いのだろうと思います。

それと、湿疹を速やかに治療してしまえば、皮膚から入りにくいのでしょうが、“乳児湿疹”などと診断され、過小診断・過小治療で、湿疹の悪い状態が長期に渡ると、数値が上がりやすいようです。

一般的に、クラス6と抗体価が高ければ、食物アレルギーは重いと考えられます。場合によっては、食べていないから症状が出ないのであって、食べればアナフィラキシーを起こす確率も出てきます。

逆に言えば、食物アレルギーを重くしないためには、湿疹をアトピー性皮膚炎と的確に診断し、皮膚治療をしっかりと行えば、抗体価をそこまで上げないことができるのではないか?と言えると思います。

アトピー性皮膚炎の治療のポイントは、効果の十分はステロイド軟膏を使用することで、多くの医師がこの時点で物足りない治療を行なっています。更にステロイドはタップリと塗り続けるのも大切ですが、これも「湿疹が良くなれば、塗るのをやめる」などと言われていたりします。

食物アレルギーを重くしたくなければ、まずは湿疹の診断と治療が重要であるということです。

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