小児科 すこやかアレルギークリニック

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平均7ヶ月?
2020/02/19
今月末に、ある学会のエントリー締め切りがあり、その準備をしています。

今回は、卵アレルギーがある、もしくはその確率が高いという乳児を対象にしています。

当院のデータからも、“湿疹”があると、かなり早期から卵アレルギーに傾いてきます。湿疹の程度が重めだと、生後1、2ヶ月から卵の抗体価が上がってきたります。

早いとそれくらいなのですが、通常はどれくらいの時期に上がってくるのでしょうか?。明確に答えられる人はほとんどないと思います。ただし、どれくらいで上がってくるという目安を知っておくことは重要なんじゃないかと考えています。

例えば、10ヶ月の赤ちゃんが湿疹なり、食物アレルギーの症状で受診されたとします。卵を調べて、抗体価が上がっていると、10ヶ月の時点で陽性化したのかもしれませんが、もう少し早く上がっていたのかもしれません。

多分、アレルギー体質の強さだったり、アトピー性皮膚炎の程度、治療の上手い下手の影響を受けるのだろうと思います。つまり、一概には言えないのかなと考えています。

今回、湿疹なり、卵アレルギー症状で受診された乳児は、生後1ヶ月から11ヶ月まで分布しています。生後1、2ヶ月とか、11ヶ月になって受診されることは少なく、中盤での受診が多いようです。

やはり、人数的には生後6、7、8、9ヶ月辺りが多くなっています。受診月で平均を取ってみると、生後7ヶ月過ぎであることが分かりました。

卵白の値が上がってきて、卵を食べて症状を起こすのも、生後7ヶ月前後が多いようです。

7ヶ月というと、ちょうど離乳食が進んできて、卵黄から卵を始めましょうという時期かなと思っています。最近は、卵アレルギーを恐れて、卵の開始時期が遅れていると言われていますが...。

湿疹がアトピー性皮膚炎とは気づかず、卵アレルギーの存在を疑いもせずに、家で卵黄や全卵を与えてしまい、下手をすれば、アレルギー症状を呈するかもしれない時期と重なっているようです。

こういう現実を知った上で、離乳食を進めていきたいものです。当院であれば、“湿疹”があれば、離乳食前にアレルギー採血を行います。既に卵白が高ければ、医院で負荷試験を行いますし、ラッキーにも上がっていなければ、自宅で食べていただきます。

食物アレルギーは増えていると言われており、離乳食を進める中で、事故も起こしやすい訳で、医師なり、親御さんも戦略を練って、進めていくべきなのだろうと思っています。

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