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病院からのお知らせ

2階
2020/02/25
一般の方には、医師について分かりにくい部分だと思います。

それを階数で表した記事がありましたので、ご紹介したいと思っています。

日本に寄港したクルーズ船への新型肺炎に対応について、様々な議論がなされています。多くの方の目には、日本の対応がお粗末だったように映っていると思います。

某大学教授がクルーズ船内に乗り込み、対策の甘さを指摘しました。そこで「プロの感染対策の専門家の不在」を主張されていました。

当然、厚労省も関係者に医師はいるだろうし、「どういうことなんだろう?」と感じた方も多いのではないかと思っています。この記事では、その「プロ」について、こういう表現をとっています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-00000009-jct-soci&p=3

医師の資格は2階、3階建てになっているのです。医師免許は、1階部分に当たります。医師なら誰でも感染症に関する必要最小限の知識を持っています。ただし、ウィルスという目に見えない敵をほぼ完璧にブロックするには、それなりの専門的な知識や経験がないと対応できません。

それをこの記事では、「2階」部分に例えています。1階の必要最小限の知識を持った医師が、感染症に関するハイレベルな研修をし、一定の年限の経験を積まないと、今回のような事例に対応できないという意味です。

更に、感染症にもプロ中のプロはいるのでしょう。そういう人は「3階」、「4階」に住んでいます。

アメリカなどでは、クルーズ船から帰国した人々を更に2週間の隔離を行うと言います。アメリカ国内にウィルスを持ち込まない、拡散させないためには、それくらいの対応が必要なのでしょう。これは「2階」、「3階」もしくはそれ以上の階に住む住人の医師の判断だと思います。

これは、アレルギーについても同様です。多くの患者さんがかかっている医師が「1階」に住んでいます。食物アレルギーは、食物負荷試験なしに診療できないと言われていますが、負荷試験ができるのは「2階」以上に住む住人だけです。

多くの患者さんは、「1階」に住む医師が「2階」や「3階」レベルの医療をできると“信じている”だけなのです。

新型肺炎の初期対応は、仕方ない部分もあろうかと思いますが、きっと誤りだったのでしょう。最初から「2階」以上のプロに任せていれば、結果は変わっていたものと思われます。

アレルギーも、近くのかかりつけ医に任せていると、同じようなことが起こり得ます。初期の消火がとても重要なのに、対応を誤り、大きく燃え盛らせてはいけないのです。

医師の「1階」、「2階」について、理解しておいていただけたらと思っています。

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