小児科 すこやかアレルギークリニック

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気胸!?
2020/03/21
先日、夜間休日診療の仕事に行ってきました。

呼吸困難と背中の痛みを訴えて、受診された高校生の患者さんがいました。

今は季節の変わり目。ぜんそくの調子を崩している患者さんもいます。診察前には、ぜんそくがあるのに、見逃されており、それで呼吸困難を訴えているのではないか?と思っていました。

聴診しても、喘鳴は聞こえてきません。普通、ぜんそく発作ならば、痰がらみの咳が出るはずです。しかし、咳もしていないのだそうです。

となると、ぜんそく以外に原因がありそうです。当初の予想が外れると、正直ちょっと焦ります(汗)。呼吸困難は、アナフィラキシー でも起こりますが、そんな感じでもなさそうです。

診察しながら、ヒントを見つけました。右側の肺は聞き慣れた肺に空気の入る音がするのに、左側はほとんど聞こえないのです。

酸素濃度は、99%。全くの正常で、酸素不足ではありません。強めのぜんそく発作を起こせば、90%前後に落ちるはず。しかし、息をするのもたいそうそうで、堪えているのが分かります。

これからすると、「気胸」という病気の可能性も出てきます。肺に穴が空いて、空気が漏れる病気です。怪我をして肺に穴が開くこともありますが、自然に起こることもあります。

痩せ型の10から20代の男性に起こりやすいとされますが、まさしくそういった体型です。通常は胸のレントゲン写真で分かるのですが、その日は検査ができませんでした。

ということで、病院に紹介状を書きました。長年小児科医をやっていると、気胸の患者さんは診たことはありますが、最初から自分で発見したことはなかったかな。

精査ができませんでしたが、紹介先での検査結果が気になります。まずは診断をつけて、それに見合った治療が行われることでしょう。いずれにしましても、この患者さんの早い回復をお祈りしています。

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