小児科 すこやかアレルギークリニック

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一瞬よぎる
2020/06/06
先週末、アトピー性皮膚炎の新患患者さんが受診されました。

市内の小児科、皮膚科に通っていて、湿疹が良くならないと当院に救いを求めての受診でした。

アトピーは、とても重症でした。2軒の医療機関でアトピーではないと言われ、過小治療の結果、かなり重症化していました。

そうです。アトピーはちゃんと診断して、適切に治療しないと、どんどん悪化してきます。ここ最近の初診のアトピーの患者さんの中では、トップクラスの重症度でした。

それにしても、診断できない、治療できない、さらに専門医にも紹介されないという「3密」ならぬ「3ない」の状態でした。本当、湿疹を舐めきった小児科医、皮膚科医の多さには閉口してしまいます。その結果、こんなに重症化させてしまって...。

今日が、私にとって初顔合わせであり、どうやって治療戦略を立てるか、どうするのがベストなのかと考えました。

もちろん、これまで通り、私の持てるチカラすべてを発揮して、責任を持って診るとも考えましたが、先週末の時点で約1週間後に堀向先生が当院で診療を始められるのは、決定事項でした。アトピー治療の名手に診ていただく選択肢もありました。そういう考えも、正直言って一瞬よぎりました。

少し考えましたが、私を頼って受診してくださったので、また今後、急な悪化で、私が対応することもあるかもしれません。私が全力を挙げて診るという選択をしました。

ちなみに、体に広範囲に、マイザーという極めて強いステロイド軟膏を使用しています。多くの小児科医が、ビビって使用しないような強力なステロイドをです。そういう選択をするほど、重症だったということでした。

私が覚悟を決めて治療をしただけあって、1週間後に受診していただきましたが、狙い通りの急激な改善を示していました。親御さんも、ここまで良くなったのは、かなり久しいとおっしゃっていました。

ここで、同業者から「マイザーだなんて、やり過ぎでは?」なんて声も出ようかと思います。

いやいや、極めて重症だし、短期間で改善させ、自信を持ってもらうことはとても重要だろうと考えています。この状況では、中途半端な治療をして、半端な結果を生むよりは、一気に治療して自信を持っていただく方が、遥かに重要かと考えます。

とりあえず、この重症な患者さんに関して、良いスタートが切れた。そう考えています。

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