小児科 すこやかアレルギークリニック

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落ち着かせる(その1)
2020/06/23
アレルギーの基本は、“落ち着かせないと落ち着かない”だと思っています。

アレルギーは、慢性疾患です。症状が出続けさせると、悪化しやすくなるようです。

例えば、アトピー性皮膚炎。

湿疹があるから掻くし、掻けば悪化します。「イッチ、スクラッチサイクル」と言われています。「イッチ」は痒み、「スクラッチ」はひっかくという意味です。これだと、雪玉が雪山を転がり、どんどん大きくなっていくイメージです。

この悪循環をどう攻略するか?。「掻く」から悪化する訳です。「掻かない」ようにすれば、掻いて悪化することをなくすことができます。多くの医師が、痒み止めの内服薬を処方しています。一つの手段でしょうが、そんな簡単なものではないと考えています。

皮膚に炎症があり、痒いのですから、炎症を抑えれば、痒くはなくなるはずです。これが根本を正す方法であり、痒み止めの内服は、私から言わせれば、邪道であることを理解できると思います。

いつも書いていますが、特に小児科医のよく言う、「ステロイド軟膏を薄く塗って、よくなったらすぐに止めて...」というやり方がありますが、こんな塗り方でアトピー性皮膚炎をコントロールすることなんて、まずできないと思います。

こちらが手綱を握って制御するには、中途半端な塗り方が一番ダメでしょう。そうやって、病気をのさばらせている訳です。つけあがらせているとも言えましょう。

この悪循環を断つためには、相当に強力な治療をしなければ、対処なんてできません。皮膚の炎症を完全に取り去るくらいの超強力な塗り方をするほかはないと思います。

これは、相当に難しいことです。ただし、それを目標に継続的に努力して初めて、皮膚症状を落ち着かせることが可能になるのだろうと思います。

アトピー性皮膚炎において、症状を落ち着かせるとは、そう言うことを指しています。「ちょっと塗って、また止めて...」なんて方法では、太刀打ちできるはずなんてありません。

しかし、多くの医師がそう指導しています。強力な治療をできる医師に紹介もせず、そこまでしなければいけないことも認識していないと思います。

だから、安定している患者さんが少ないのだろうと思いますし、それが日本の現状なんだろうと思っています。

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