小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

放っておいても
2020/06/29
小児科の病気は、経過で分けると2種類に分類されると思います。

急性疾患と慢性疾患です。急性疾患の代表が風邪や胃腸炎などの感染症で、熱や咳、下痢などで小児科を受診される患者さんは多いと思います。

一方の慢性疾患は、当院が専門としているアレルギーのほか、神経や腎臓、内分泌の病気も含まれると思います。

神経の病気は、不可逆性のことも多く、治ることが期待できないものもあると思います。慢性腎炎などは治ることもあろうかと思います。基本的に治療法が確立されておらず、様子をみる疾患もあるでしょうが、継続的に治療を要するものもあります。

アレルギーも、治りづらいと考えられていると思います。ぜんそくはロイコトリエン受容体拮抗薬や吸入ステロイドの連用、アトピー性皮膚炎はステロイド軟膏の塗布のほか、プロトピックなどの免疫抑制剤の使用という選択肢もあります。薬を使っているうちはいいけれど、やめるとじきに悪化してくるということが多いと思います。

急性疾患は、溶連菌感染症のように、抗生物質がてきめんに効くものもありますが、ウィルス感染症は、治療があるのはインフルエンザと水ぼうそうくらいで、他のウィルスに関しては治療薬はないと思います。

では、インフルエンザ、水痘以外は、治らないのかと言えば、放っておいても治るものがほとんどではないでしょうか?。

その点、アレルギーは、簡単には治らない慢性疾患なので、積極的に治療を行い、症状を封じ込める必要があります。“封じ込める”とは、ある意味、的を得た言い方だと思っています。

症状を完璧に抑え込み、身体が症状を起こさないクセをつけるという方法です。ぜんそくもアトピー性皮膚炎も症状を“封じ込める”ことは簡単ではありません。的確にぜんそくやアトピー性皮膚炎の診断をして、ガッツリと治療しなければならないのに、そう診断すらされていないケースも少なくありません。

小児の病気は、“放っておいても”治る病気が多いけれど、アレルギーなどは、“放っておいても”治らないことが多く、徹底抗戦して、“封じ込める”治療が必要であることを理解していただきたいと思っています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>