小児科 すこやかアレルギークリニック

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病院からのお知らせ

何故そうなるのか2
2020/07/03
昨日の続きです。

ある皮膚科にとびひでかかっていた患者さんが、当院に移ってこられました。

たかだかとびひなのに、何故?ってなりますよね?。とびひと診断されて、治療されてもよくならない理由を考えなければなりません。

皮膚を拝見してみると、よくなっているような、よくなっていないようなという感じでした。もちろん、不満、不安に思わないと、医者を替えようとは思いませんよね?。

ポイントは、引っ掻き傷でした。かなり痒みがあるのです。

ええい、答えを言ってしまいましょう。この患者さん、実はアトピー性皮膚炎がありました。逆にアトピー性皮膚炎などがないと、なかなかとびひにはかからないと思います。

この時期、例年よりはアトピーの患者さんが調子が悪いようです。急に暑くなったので、汗などで皮膚が悪化しているようです。当然痒いので、痒いから皮膚を掻く。傷からとびひの原因菌が入れば、掻く先々でとびひしまくることになります。

皮膚科の治療でとびひはよくなるものの、アトピー性皮膚炎の治療をしていないので、とびひの菌が死ぬことなく、あちこちに飛びまくる。それで落ち着かなかったと考えています。

患者さんは、とびひだからとびひの治療をすれば、それで十分と考えると思いますが、悪化要因まで思い巡らして対応しないと、よくならないことは結構あることだと考えています。

この場合、とびひの治療とアトピー性皮膚炎の治療を同時にしなければならないのです。「えーっ、同時に!?」なんて思うかもしれませんが、その場合は、とびひの治療だけではダメだし、アトピー性皮膚炎の治療だけでも物足らないのです。

だから、単純明快に「同時に」です。当院は、こういうことは結構あります。他の小児科、皮膚科、耳鼻科などで治療してよくならないと、当院を頼って受診されることはよくあるので、これまで「よくするためにはどうしたらよいのか」というテーマに何度も何度も遭遇してきました。

次回受診時には、改善しているのが目に見えるようです。万が一、よくなっていなければ、さらにどうすればいいのか、考えればいいだけのことです。

意外と上っ面しか見ておらず、改善できていない“医療”ってあります。親御さんには、症状を良くすることに貪欲であって欲しいと願っています。

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