先日、中学1年生の患者さんに負荷試験を行いました。 アレルゲンは、卵。カルテを紐解いてみると、4年前に当院を初めて受診されています。 卵の抗体価が高く、前医で完全除去を言い渡されており、何も食べていない状況でした。専門的な医療を希望されて、遠路遥々受診してくださっています。 食物アレルギーは、除去が一番よくないと考えおり、加工品から負荷試験を行っています。初診の時点で、年齢も小学校中学年でした。中には「怖くて食べられない」と口にすらできない子もいます。 この患者さんの場合は、そうでもなく、負荷試験も進んで行きました。今回の負荷試験の前の段階で、卵焼きを何分の1か食べているという状況でした。 今回の目標は、卵焼きを1個完食するというものでした。 負荷試験当日、食べ進め、卵焼き1個分を完食しました。これには私も喜びました。低年齢から食べさせると、食べられるようになるのは当たり前のことですが、これだけ大きくなってちゃんと食べられるようになるとは限らず、私も本当にうれしかったのです。 今回は、一旦は「食べられてよかったね」ということになったのですが、遅れて腹痛、嘔気というお腹の症状が出てしまいました。 手中に収めつつあった勝利が、手からするりと逃げてしまった、そんな感じです。ただ、食物アレルギーは諦めると、それ以上は望めなくなってしまうため、「次こそは」という気持ちで精進したいと思っています。 |
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