小児科 すこやかアレルギークリニック

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運命まっしぐら
2020/07/21
小児科は子どもが専門、皮膚科は皮膚が専門です。

乳児期の湿疹を誰が診るべきかと聞かれれば、小児科医と即答します。

アレルギーマーチの概念によれば、乳児期早々にアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、ぜんそく、アレルギー性鼻炎の順に発症してきます。

これらの病気を診るべきは、以下のようになると思います。
○アトピー性皮膚炎:小児科、皮膚科
○食物アレルギー :小児科
○ぜんそく    :小児科
○アレルギー性鼻炎:小児科、耳鼻科

4つの病気をまとめて診ることができるのは、小児科医だけです。にも関わらず、湿疹が出た時点で、皮膚科に通う親御さんも多いと思います。

皮膚科に通っても、次に出てくる食物アレルギーを皮膚科医は対応できないことが多く、ぜんそく、鼻炎も通常は診ることも、触れることもないでしょう。

先日、小児科医から湿疹から食物アレルギーを発症することを聞かされ、皮膚科に紹介された赤ちゃんが、湿疹が改善しないということで当院に鞍替えされてきました。

治療が、かなり生ぬるいのが原因でした。一般的に湿疹の治療は、小児科医より皮膚科医が上手だとは思いますが、小児科医でアレルギー専門医は、この時期の皮膚治療がいかに重要か分かっていますので、中途半端な治療なんてしません。

中途半端な治療をやることで、アトピー性皮膚炎の治療がキチンとできないばかりか、食物アレルギーを引き起こすことになります。中途半端なことはやってはいけないし、湿疹が「塗るといいが、やめると悪化する」という人が多いと思いますが、これがまさしく“中途半端な治療”をやられている証拠です。

このタイミングでのキッチリとした治療は、その患者さんのアレルギーに関する運命を大きく変えることができると思っています。そういうことができるはずなのに、“運命まっしぐら”というのは寂しい限りだと思っています。

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