小児科 すこやかアレルギークリニック

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課題
2020/07/26
先回、コンポーネントについて触れました。

今回は、コンポーネントの課題についてです。コンポーネントの生まれたきっかけは、食物アレルギーの検査である「卵白」や「ピーナッツ」、「クルミ」といった項目の精度の悪さだと思っています。

これらの項目が陽性と判断されても、負荷試験をやってみると、食べられることもあり、検査で陽性のために、除去を指示されている患者さんが少なくないことを意味しています。これは、“取り越し苦労”といいますか、しなくていい除去を行っていることになります。

これでは良くなくて、負荷試験をしなくても、食べられるか、食べられないかどうかを判断する新たな目安が欲しいということで、制作されたと考えています。

その結果、何が起こるでしょうか?。

今でさえ、「卵白」が陽性だから、除去しましょうと指導されていますが、「卵白」のコンポーネントである「オボムコイド」が高いだけで、やっぱり除去が必要だと言われてしまうのではないでしょうか?。

当院は、「卵白」6、「オボムコイド」6であっても、完全除去にする必要はないだろうということで、負荷試験は行っています。もちろん、無理はしません。わずかな量でも食べてもらうよう努力をしています。

オボムコイドが6だと、卵を食べさせることは絶望的だと思う医師は、かなりいると思われます。当院では、オボムコイドは6であっても、最終的に卵焼き1個を食べられた経験もあります。

卵以外で言えば、例えば、「ピーナッツ」のコンポーネントは「Arah2」。これが陽性だと、ピーナッツは食べられないのではないかと考える医師は、とても多いと思います。

負荷試験をしなくてもいい、新たな検査項目を作るという大義名分でコンポーネントが作られたのなら、このコンポーネントが高ければ、負荷試験をするまでもなく、「除去しよう」ってことになりませんか?。

コンポーネントがどうであれば、食べさせる努力をしなければ、何も始まらないとだろうというのが私の考えであり、そこが大きな課題だろうと思っています。

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