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こっちこそゼロレベル作戦
2020/08/25
昨日、「ゼロレベル作戦」について書きました。

実は、今日のことを書きたくて、触れたんです。ぜんそくに関して、「ゼロレベル作戦」は有名です。“咳”が止まらずに、苦しそうであれば、親として止めてあげたくなりますよね?。

ですから、“咳”を「ゼロ」にしようとは誰もが考えると思うんです。アトピー性皮膚炎に関して、“湿疹”はどうでしょう?。

ぜんそくについては、“咳”を出ないクセをつけて安定させると、ぜんそくを治す方向に近づけることができると考えています。アトピー性皮膚炎に関しても、“湿疹”を出ないクセをつけるようにしたら、どうでしょうか?。

アトピー性皮膚炎は、“湿疹”が痒くて、掻き壊すし、痒みで眠れなかったりします。“湿疹”を出ないようにすれば、痒みも減り、眠れるようになるとは思いませんか?。

アトピー性皮膚炎の治療の主人公は、いまだステロイド軟膏です。多くの患者さんが、“湿疹”に対してステロイド軟膏を処方されています。しかし、薄く塗り、しかも湿疹が良くなってくれば塗るのを止めるよう指導されています。

実は、上っ面を良くして、塗るのを止めてしまえば、ぶり返すのは当たり前なのです。一時的に痒みも減り、いい感じになるのですが、治療を止めてしまうので、じきに悪化してしまいます。

ぜんそくに関して、「ゼロレベル作戦」は治療を継続的に行うことで、“咳”を出ないクセをつけようとしています。アトピーの“湿疹”に関しても、継続的に“湿疹”を押さえ込まなければいけないのではないでしょうか?。

アトピー性皮膚炎にも「ゼロレベル作戦」は有効なのに、多くの医師がステロイド軟膏を中途半端に使っているから、「ゼロレベル作戦」が遂行されていないだけなのです。

確かに“湿疹”を抑え込みにくいケースもあります。しかし、方向性は間違っておらず、ステロイド軟膏をしっかりと使って、しかも継続的に塗り続けて、“湿疹”を抑え込み続けることが必要です。

ステロイド軟膏の副作用が出るではないかとお叱りを受けそうですが、安定させたら塗る量を減らしていきます。湿疹がなくなるまでは、ガッツリと塗り続けます。

そう、多くのケースでゼロレベルにも達していない状況で、ステロイド軟膏を止めてしまうので、前に進めていないだけなのだと考えています。

アトピー性皮膚炎の治療の基本戦略は、こういうことなのですが、多くの患者さんが知らないことだろうと思います。

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