小児科 すこやかアレルギークリニック

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ベスト オブ ベスト
2020/09/03
昨日、湿疹に関して、中途半端なことはよくないと書きました。

その2ヶ月の“湿疹”の患者さんには、兄弟のアレルギー体質や、湿疹の診察所見からアトピー性皮膚炎の可能性が極めて高いとお話ししました。

これまで、医者に行っても“乳児湿疹”としか言われず、湿疹で悩んで来られて、当院を受診した患者さんに「アトピー性皮膚炎ですね」と診断すると、ごく一部の親御さんが涙を流すというシチュエーションはありました。

きっと、医師を信じて通っていたのに、診断も間違いで、治療も半端なものだった、子どもにベターなことをやってあげられなかった悔しさが、そうさせているのかなと考えていました。

最近、生後1、2ヶ月で受診される湿疹の患者さんには、アトピー性皮膚炎の可能性が高ければ、その旨を伝えるようにしています。日本のアトピーの診断基準で、よく使われているものには、2ヶ月間よくなったり、悪くなったりを繰り返すことを確認するというものがあります。

ですから、多くの医師は、診断基準を満たさないから、アトピーとは診断できないと考えるのだろうと思いますが、別の診断基準では、2ヶ月も“放置”する必要はなく、アトピーの診断できるのです。

医療は、何事も早期診断、早期治療。特にアレルギーにはその立場が重要です。“乳児湿疹”などと言われ、中途半端な治療をしていると、過半数は食物アレルギーが進展してしまいます。

ですから、私の中で、“湿疹”のベスト オブ ベストの対応は、生後1、2ヶ月の時点でアトピー性皮膚炎の確率がかなり濃厚なら、早々に診断して治療すべきだと考えています。

この親御さんにも、生後1、2ヶ月でアトピー性皮膚炎と診断されて治療されるケースは日本ではまだ滅多にないはずで、これはラッキーなことなんですよと伝えています。そうすることで、食物アレルギーの進展も抑えられ、アトピー性皮膚炎の悪化させずに治る方向に向かうことができます。

乳児のアトピー性皮膚炎は治療しやすいですが、こじれさせて難治化させてしまうと、大変です。早期発見、早期治療という考え方がまだまだ広がっておらず、今後何年かして注目されてくるはずです。

この捉え方は、徐々に常識になってくると考えています。

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