小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

興味深い
2020/09/15
患者さんは、病気の時に医師を頼りにします。

医師も、実は患者さんを頼りにしています。当然のことながら、患者さんがいなければ、生活ができません。それよりも何よりも、医師は患者さんから多くを学ばせてもらっています。

先日、興味深いケースを経験しました。卵アレルギーを思わせる症状が見られたお子さんです。

卵白を1さじ与えたら、首と股のところに発赤が見られたそうです。食物アレルギーを心配して、近くの小児科を慌てて受診したら、食物アレルギーではないと言われたそうです。

今度は卵白を3さじ与えたら、じきに蕁麻疹が全身に広がったそうです。結局、数日前の症状は実は卵アレルギーの症状であり、少し食べさせたら、“軽い症状”が、多めに食べさせたら、“それよりも強い症状”が見られました。

食物アレルギーは、「量」の問題だったりするので、多く食べたら、それに伴い強い症状が出たということです。

それとは別の日に、卵黄を与えたそうです。そうしたら、3時間後に嘔吐が見られました。食物アレルギーは、食べてすぐに蕁麻疹や咳などが見られる病気なので、ちょっと経過が異なるようです。

この子は、卵白アレルギーと卵黄アレルギーがあるようです。卵白アレルギーとは、一般的な「卵アレルギー」のことで、それと卵黄による「消化管アレルギー」があると考えています。

これは、蕁麻疹や咳などは見られず、しかも2、3時間という食べてから長めの時間を経て、嘔吐のみという症状が見られています。

卵黄と卵白のアレルギーが一緒に見られることは、少し珍しいかもしれません。実に興味深いと考えています。

両方あると難治化しやすいのか?。別にそうではないと思います。戦略を間違えなければ、治りやすいと考えています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>