小児科 すこやかアレルギークリニック

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発症予防4
2020/10/19
鶏卵発症予防に関する提言の4番目の件です。

「鶏卵の感作のみを理由に鶏卵除去は行うことは推奨されない」、そう書かれています。

卵の抗体価が高いと、食物アレルギーの症状が見られやすくなります。数値が高いと、除去したくなるのが人情というもの。これまで多くの医師が、そう指導してきました。

ただ、言っていることは間違いではありません。抗体価が高いから、食べられない訳ではないから。

提言とは、分からない人達に「こうしたらいいよ」と差し示すもの。ちょっと不親切ではないですか?と思ってしまいます。

つまり、何をどれだけ食べさせると、症状を起こす確率がどれくらいあるとか、ないとか示す必要があると思うのです。それを書けなかったのは、提示するだけの準備期間もなかったのだろうと推測しています。

当院では、卵黄を用いて負荷試験を行なっています。卵黄と言っても、卵白を若干含みます。それで、症状が出てしまうこともあります。経験上、90数%は問題はありません。

こういうことは、なかなか書けないことなのだろうと思っています。何かあったら、誰が責任を取るかということになりかねないですし。ただ、私は食べさせるようにしています。速やかに、食べさせたいと願っているから。少しでも食べさせるきっかけ作りが重要だと理解しているからです。

医者は、責任がどうのと考えていたら、何もできなくなってしまいます。「鬼滅の刃」の映画が大人気ですが、主題歌にあるように「進む」しかないのです。

抗体が陽性でも安易に除去しちゃいけないと言われても、多くの医師が除去をしてきたので、「だったらどうしたらいいの?」、「やり方を教えてよ」ってことになってしまいます。やっぱり「進め〜」ってなってしまうのです。

提言のこの項目も、言っていることは正しいのですが、具体策を出さないと進めない医師が多いのだろうと思っています。

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