小児科 すこやかアレルギークリニック

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一元的ではない
2020/11/09
食物アレルギーの診療には、食物負荷試験は不可欠とされます。

ただ、闇雲に食べさせると、アレルギー症状を引き起こします。最悪、アナフィラキシー ショックも起き得ます。

食物アレルギーを疑うと、専門医も非専門医もアレルギー採血を行います。抗体が出ていれば、食物アレルギーと診断されることが多いと思います。

抗体は、7段階に分かられており、具体的には0から6となっており、0は「陰性」、1は「偽陽性」、2以上は「陽性」と判定されます。

「陽性」の場合、最小値の2では、食べても何ともない可能性が高く、最高値の6では、ほぼ全例が症状を起こしてしまいます。抗体価が上がれば、右肩上がりに症状を起こす可能性が高まります。

アレルギー反応は、抗体を介して刺激が肥満細胞に渡り、ヒスタミンなどのアレルギー反応を起こす化学物質が放出されます。抗体が多いほど、多くのヒスタミンなどの物質が出されるので、アナフィラキシー を起こす可能性も高いという訳です。

これをグラフで表したものが、「プロバビリティカーブ」と呼ばれるもので、学会もこれを参考にして、負荷試験を行うべきと言っています。

理論的には正しい、間違っていないと思っていたのですが、最近、ちょっと違うのではないか?と考えるようになりました。

この考え方は、食物アレルギーを抗体価という数値で、一元的にみているように思います。

私は、食物アレルギーは抗体価のみで一元的にはかれるものではないと考えており、もう少し複合的に、そして総合的にみていくべきものだと考えています。

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