先日、痒い“湿疹”で当院を受診された赤ちゃんがいました。 市外からの受診でした。近所の皮膚科でステロイド軟膏が出されましたが、改善しないということで受診されています。 説明していく中で、食物アレルギーの合併が心配ということで、アレルギー採血の話を持ち出した時に、小児科で検査をしたことがあるとのこと。 結果を見ると、「タルク」を調べていることに気づきました。「タルク」は「ターク」とも言われますが、アトピー性皮膚炎の湿疹の程度を表すものです。 結果は、7000を超えていました。タルクを調べるなんて、その小児科医も勉強しているなと思ったのですが、なんと親御さんが希望して検査してもらったとのこと。今はそういう時代です。 つまり、医師よりも分かっていたりします。ちなみに、当院にかかっている患者さんの親御さんはその辺の小児科医、皮膚科医よりも一部分ではありますが、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の知識があるのではないかと思えるくらいです。 その小児科医からは、タルクが高いからアトピー性皮膚炎なんだろうという話があったのみ。ろくに治療もされていませんでした。 敢えて言いますが、全国的にアトピー性皮膚炎の診断や治療をちゃんと行える小児科医、皮膚科医は驚くほど少ないと思います。例えば、新潟県にどれくらいいるんだろうかというレベルです。 適切に治療すると、タルクはあっという間に低下します。治療が上手くいっているかどうかの判定にも使えるのです。そのためには、ステロイド軟膏を中途半端に使って、改善したらやめて、悪化したらまた塗ってなんて指導では、湿疹も安定しませんし、タルクも下がらないと思います。 タルクひとつをとってみても、医師のやることなすことには課題が多いと言えると思います。 |
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