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2020/12/17
昨日も触れた「タルク」ですが、巷では十分活用されていないようです。

成人では、450未満が基準値とされています。小児ではどうでしょうか?。0歳では、1367未満とされています。

1歳では998未満なので、年齢によって基準値が異なるという注意点があります。それと、0歳児では生後6ヶ月以上の乳児を対象に検討されたので、実は生後1から5ヶ月の基準値は存在しないことになります。

先ほども述べたように、成人は一律450未満とされているので、評価はとても簡単です。ところが、乳幼児では評価が複雑となります。

乳児では、「もともと高い数値を取るので、注意が必要」と日本の第一人者は言います。しかし、どれだけの医師が実際に自分で調べて、評価が難しいことを理解しているのか、疑問に感じています。

なぜなら、大学病院や専門病院には、生後まもない軽い湿疹の赤ちゃんは受診しないことが多いからです。

この辺のことは、こだわってやっているので、ちゃんと理解しているつもりです。

乳児のアトピー性皮膚炎は、生後まもなくから発症することが多く、湿疹の程度が重いお子さんは、タルクも高値を取ることが多いです。もともとタルクは、重症度を図る指標として使われることが多く、実は乳児もそのように使えることが多いと感じています。

治りにくい湿疹のある乳児に対し、もう少し積極的にタルクを測って欲しいと思っています。アトピー性皮膚炎ならば、ちゃんとアトピーだと認識して治療しないと、湿疹を封じ込めることは困難だったりします。

治療の成否にもタルクは使えると思っています。タルクの活用を多くの小児科医、皮膚科医が覚えれば、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーを取り巻く環境は、もう少し患者さんに優しくなると思うのですが...。

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