先日、ある患者さんのお母さんから「5年間、お世話になりました」と言われました。 春から関東の方に転居されるそうです。アレルギーの体質が強かったお子さんだったので、紹介状も頼まれていました。 真面目に通ってくれていて、特段その子で苦労したこともありませんでした。紹介状を書きながら、こんなこともあったなぁなんて思っていました。 その子は6歳なので、先の5年間というのは、1歳から6歳の5年ということになります。その間、いろいろなことがありました。 初めて受診された際、アトピー性皮膚炎があり、よくあるパターンですが、経皮感作により卵、乳、クルミが高い値でした。 世の中には卵アレルギー、乳アレルギーで苦労されているお子さんは少なくないと思いますが、早期から食べさせていくと、かなり治ってしまいます。卵白の値もクラス5くらいだったと思いますが、乳ともども摂取できるようになりました。 見るとクルミもクラス4。クルミは数値が高いと、当院のデータでは8割は症状が出ますので、かなり注意が必要です。しかし、これも早期から食べさせていたので、最終的にクルミさえもクリアしています。 アトピー性皮膚炎の湿疹も落ち着いていて、食物アレルギーの全クリア。ぜんそくの咳がたまに出る程度です。 紹介状を書いていて、やり慣れたアレルギー専門医がかかわるべき期間に、私が主治医として対応することができたように思います。敢えて言えば、非専門医がいい加減な管理をしていたら、ぜんそくもアトピー性皮膚炎もイマイチで、食物アレルギーも卵、乳、クルミの除去なんて結末になっていたかもしれません。 私としては、まったく普通のことをやっただけですが、「5年間、しっかりお世話させていただきました」って感じだなぁと思っています。 |
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