小児科 すこやかアレルギークリニック

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合併率
2021/06/28
アレルギーは遺伝の影響を受けます。

しかも、「アレルギーマーチ」という概念は日本人が見出したものですが、要はアレルギーの体質を持っていると、様々なアレルギー疾患が合併しやすいことになっています。

具体的には、「アトピー性皮膚炎」、「食物アレルギー」、「ぜんそく」、「アレルギー性鼻炎」の順に病気が見られやすく、合併しやすいことが分かっています。

これに関しては、これまで何度も調査されてきています。例えば、ある調査によると、アトピー性皮膚炎にぜんそくを合併するのは、19.4%でした。アトピー性皮膚炎に食物アレルギーを合併するのは、47.8%でした。食物アレルギーがあると、アトピー性皮膚炎を合併するのは31.9%だったそうです。

こういうデータは、数百人の患者さんを精査したものであり、結果は尊重されなければなりません。

この場でよく触れているように、当院ではアレルギーの早期発見、早期治療にこだわっています。その患者さんが、将来食物アレルギーで除去すべき食品をあったはずのものと、なかったことにできるならば、それは素晴らしいことだと思います。

以前やった当院の検討で、卵アレルギーのある患者さんがアトピー性皮膚炎を合併するのは、95%を超えていました。軽微なアトピー性皮膚炎の湿疹を見逃さないようにした結果がこれです。

先ほども示しましたが、食物アレルギー患者さんがアトピー性皮膚炎を合併するのは31.9%だと言います。

比べてみると、95%以上と31.9%。凄い差です。

これまでは、より確実性の高いものをアトピー性皮膚炎と診断していましたが、早期発見にこだわると、こういう差が生じてしまうようです。しかも、アトピー性皮膚炎は成長とともに目立たなくなることもあり、それでアトピー性皮膚炎を診断されていないのだろうと思います。

調査を行う年代というか、タイミングによっても差が生じる可能性はあります。医師の診断能力によっても、差が出てしまうかもしれません。

なかなか難しい問題なのかなと思っています。

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