小児科 すこやかアレルギークリニック

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少しは
2021/06/30
当地では、RSウィルス感染症がかなり流行っています。

今年のRSウィルスは、ちょっと違うように感じます。通常は、痰が絡み、呼吸しづらくなって呼吸困難で入院してしまうこともあるのですが、今年は一部で高熱が続き、下がらないようです。食欲が落ち、脱水に至り、入院してしまうケースもあります。

また、発熱はかなり見られやすいのですが、今年は熱がないのに、検査するとRSウィルスが検出されることもあります。これだと、いわゆる風邪と全く区別がつかないので、流行の拡大を止めることは困難のようです。

当院は、診断をなるべく正しくつけることを心掛けているので、RSウィルスが疑わしい患者さんは検査しています。

少し前にも触れましたが、RSウィルスには検査にまつわる問題があります。保険診療のシステム上の問題なのですが、0歳の赤ちゃんを検査すると保険でまかなわれるのですが、1歳以上では医院が損をしてしまうことになっています。

その結果、何が起きるかというと、検査をしない医院が出てくるのです。以前のデータですが、ある冬季のシーズンに当院では83人のRSウィルス患者を確認しています。既存の小児科の感染症情報を見てみると、わずか3名のみ。

さすがに、ここまでくると悪質です。かかりつけの患者さんに正しい診断をつけたいという思いよりも、利益を優先した結果ということでしょう。医者の世界なんて、こんなものですよ。

この当時は、RSウィルスを調べようとしなかった医療機関が、ここ最近は調べるようになってきたようです。

地元の小児医療も、少しは患者さんの方を向いてきているようです。

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