小児科 すこやかアレルギークリニック

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タイムリミット
2021/07/12
食物アレルギーを手がけ始めてから、もう20年になります。

私の場合、20年前から「食物負荷試験」を体感する立場にありました。専門病院の恩師のお陰です。

多分、そうではない専門医の場合では、「除去」が基本姿勢で、負荷試験を“やらざるを得ない”状況だと、おっかなびっくりの対応になってしまうようです。

確かに負荷試験には慎重であるべきでしょうが、何かあったら困るというやや保身に走った感じだと、なかなか前に進まないのだろうと思います。

いずれれにしても、当院の場合は、「立ち止まっても何も変わらない、とにかく前へ」と考えているため、世の中の専門医の中でも恵まれているのかもしれません。

そんな考え方を持って、20年も負荷試験をやっていると、そういう人だけに見えてくる景色があるのだろうと考えています。

それは何か?。先ほどの「立ち止まっても何も変わらない、とにかく前へ」という姿勢でとにかく少しでも食べさせるということもそうですが、「食物アレルギーにはタイムリミットがある」ということです。

どういうことかと言いますと、例えば、食物アレルギーで困り果てて遠路はるばる受診されるお子さんもいます。食物負荷試験という検査があるのをご存知ないので、親御さんはそれなら受けさせたいと考えます。

しかし、お子さんからすれば、これまでずっと除去と言われて、卵なら卵、乳なら乳製品を避けてきたのに、いきなり食べろと言われても、恐怖心が先立ってしまい、気持ちが追いついてきません。お子さんは年々賢くなってきますので、年齢と比例して食べることに対する恐怖心が増してくると感じています。

ですから、「食物アレルギーの対応は、できるだけ早いほうがいい」ということになります。タイトルにタイムリミットと書きましたが、3歳までとか5歳までという年齢による限界があるという意味ではなく、患者さんにとっての「もう絶対に食べたくない」と言って、体が受け付けなくなるような限界があるように感じています。

拒否しだすのは、1歳代の子もいますし、5歳だったり、7歳だったりします。食物アレルギーでお困りの親御さんは、「タイムリミット」を意識した方がいいと思います。

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