小児科 すこやかアレルギークリニック

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似て非なるもの
2021/07/19
最近、土曜の午後は新型コロナのワクチン接種にあてています。

水曜の午後は講演活動が入っていることが多く、日曜しか身体を休められないことになります。

ところが、最近はオンラインとはいえ、日曜の学会発表が多く、ゆえに休みがほとんどない状況です。仕方のないことです。

この日曜も学会発表がありました。アレルギー疾患の早期介入について、患者さんのためと思い日々心掛けていることを集計して発表しました。

アトピー性皮膚炎は生後1ヶ月の時点で6割ほど発症しており、早い段階で経皮感作を受けて食物アレルギーを発症してきます。

個人的には、早い段階から食べさせて、食物アレルギーを発症せずに済むようにすべきだと考えています。これは現実的に可能なことで、少しずつ食べさせ、段階を上げていくと卵を食べているのに、症状が出ないまま、卵焼きを1個食べられるようにすることはできます。

子どもの食物アレルギーで、多い順に卵、乳、小麦となっており、他の食材よりも別格のようで、3大アレルゲンと言われています。

当院で3大アレルゲンに感作された80名あまりのお子さんのうち、95%以上が食べられるようになったという発表もしました。100%を目指しているので悔しいですが、まずまずの成績だと思っています。

世の中に食物アレルギーで困っているお子さんは多いはずですが、早期に対応すればメインのアレルゲンの95%以上は治る可能性があると伝えたのですが、ほとんど反響はありませんでした(汗)。

多分、病院の先生が多いので、早期に介入しづらいのではないかと考えています。同じ小児科医でも、極めて早いタイミングから診察のできる開業医と、食物アレルギーで困った患者さんが集まる病院の医師では診ているものが“似て非なるもの”なのではないかと推測しています。

病院で、困り果てている患者さんを何とかするよう努力する医師も不可欠な存在です。ただ、食物アレルギーは難治化してしまうと、なかなか治らないため、限界があると思っています。

そう考えると、早くから介入してほとんど治してしまう方が醍醐味があるように思います。私はこっち派ですね。

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