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世界一早く...
2021/07/20
いまだにアトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”と診断している小児科医、皮膚科医がかなりの数にのぼります。

敢えて言えば、多くの医師が湿疹に関心がないので、今後もアトピー性皮膚炎と正しく診断されるようになるには、まだまだ時間がかかると思います。

私が関心を持ったというか、持たざるを得なかったのは、食物アレルギーからです。

食物アレルギーが経皮感作により起こることが分かってきて、経皮感作は生後3ヶ月には進行してきます。食物アレルギー発症の前にアトピー性皮膚炎が先行しているという報告があり、湿疹はいつから出ているのか、日々の診療から検討したら、生後1ヶ月から多くの乳児で起きていることが分かりました。

アトピーの湿疹を“乳児湿疹”などと診断され、適切に治療されないと、確実に経皮感作が悪化し、食物アレルギーを生んできます。

であれば、生後1ヶ月のアトピー性皮膚炎を見つけて治療すれば、食物アレルギーが減らせるのではないかということになります。

当院は生後1ヶ月の時点で湿疹が気になり受診しましたという赤ちゃんが少なくありません。親御さんには半分冗談、半分本気で「世界一早く(アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの)治療ができますから」と言っています。

そりゃ、アトピー性皮膚炎なんて診断されたくないでしょうが、早く診断され、これから出てくる病気が悪くならないようにできるのであれば、親御さんにもメリットは大きいはず。

日本でも生後1ヶ月でアトピー性皮膚炎と診断している医療機関は、大病院でもほとんどないでしょうし、そもそもそんなに早い段階で大病院なんて受診しようともしませんよね?。

実は、生後1ヶ月で治療しても経皮感作は防げないこともあります。「意味ないじゃん」と言われるかもしれませんが、早期から食べさせると、多くを発症させずに済みます。最初の作戦が不発なら、次の新たな作戦でカバーしています。

多分、アレルギーは後手に回ると、上手くいかなくなります。この「先手必勝」を広めたいなぁと思っているのですが、関心を持ってくれる医師が多くなく、実践できる状況にない医師も多いでしょうから、なかなか難しいなと感じています。

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