小児科 すこやかアレルギークリニック

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個別研修会
2021/07/29
昨日も水曜午後を利用して、県内の某小学校に行ってきました。

私の診ている極めて重症な食物アレルギーの児童が何と2名通っています。食物アレルギーの研修会というと、アナフィラキシー対応がメインでしょうが、私の場合はその患者さんがどれだけ重症かを学校の先生に知っていただくことに重きを置いています。

治療経過もお話ししています。食物アレルギーの研修会は、理想は個別だと思っています。よく学校の代表が1名参加して、その内容を学校に戻って参加していない職員に伝達するというスタイルを取っていると思います。

とても重症な場合、ニュアンスの違いをそのまま伝達されたら困ります。ただし、そもそも個人情報の問題もあって、多くの学校からの参加のある大きな研修会では、個別の症例についてなかなか話せなくなってきていると思います。

昨日は、親御さんも2名参加しており、スライドの中ではAくん、Bくんのようにイニシャルで呼んでいたのですが、終わってから親御さんから「〇〇くんで良かったんですよ」と言われました(笑)。

極めて重症な患者さんの場合、親御さんが学校側に口頭で説明しても、伝わりきらないのではないかと思います。2人ともアナフィラキシーの既往があるのですが、その時の状態を説明することによって、基本的にまた誤食した場合は、似たような症状が起こるでしょうから、「こういう状態になったら、エピペンを使ってください」と言えると思います。

このような個別研修会はなかなか広まりません。時間の制約というのも、ひとつの大きな問題だと考えています。

学校の先生は、平日の日中に研修会を行なっていると思います。それが普通です。そして、専門医も平日の日中は診療をしています。平日の夜とか、土曜日なら医師は時間を作りやすいでしょうが、それでは教師側が難しくなります。

食物アレルギーにこだわった診療をしている病院勤務が多く、この双方の時間の壁というのは、なかなか解決しないようです。

だからこそ、当院は水曜午後の休診のタイミングを利用しています。重症な患者さんの重症なエピソードや治療経過などを、学校側と共有できる個別研修会を広めたいのですが、なかなか広まらないことにもどかしさを感じています。

大抵の開業医は、水曜か木曜の午後に休診のタイミングがあります。食物アレルギーが専門の開業医が増えればいいというのがひとつの解決策かもしれませんが、ほとんどいませんし、いまだに食物負荷試験をやっている開業医がほぼいないことから考えると、今後も期待できなかろうと思っています。

何とかなりませんかね?...。

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