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2021/09/02
昨日、イギリスのラック先生について触れました。

ピーナッツアレルギーの解明について、世界を動かした張本人だと考えています。昨日も触れたように、食べ物が皮膚から入るとアレルギーに、口から入ると受容するのではないかという仮説も提唱しています。

この仮説が立証されれば、いい訳です。そこでラック先生は動きます。

0歳からピーナッツを食べさせ続けるグループと、除去したグループを5歳まで経過をみた上で、ピーナッツアレルギーの有無を調べました。

日本ではピーナッツは3歳になるまで与えない方がいいとされています。何故なら、誤嚥して気管支に落ちると窒息の恐れがあるから。0歳からどのように食べさせていたのかという、ピーナッツを含む口どけのいいお菓子を食べさせたようです。

結果ですが、週に3回以上ピーナッツを食べさせたグループでは、ピーナッツアレルギーは3.2%に、除去していたグループでは17.3%に見られたそうです。

ご覧になって分かる通り、食べていた方がピーナッツアレルギーになる確率がかなり低かったのです。

つまり、食べていた方がピーナッツアレルギーにさせないことができたということになります。多くの研究により、食べている方が有利であるという結果が出ています。

実は、食べている方が免疫系に作用することも分かってきています。いつになったら、ラック先生の「二重抗原曝露仮説」から仮説の文字が外れるようになるのかは分かりませんが、個人的には食物アレルギーの患者さんには、食べさせないという選択肢はないだろうと考えています。

「いやいや、それじゃ症状が起きるでしょ」と言われそうですが、症状を起こさないであろう量を食べればいいだけの話です。

診療をやっていると、「怖くて食べさせていません」と言われることがよくあります。敢えて言えば、逆に食べられなくしている可能性はないでしょうか?。

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