小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

治療のしにくさ2
2021/10/01
昨日の続きです。

アトピー性皮膚炎についてですが、昨日は触れませんでしたが、アトピー性皮膚炎なのに「乳児湿疹」などと診断されていることも結構あります。

ですから、診断にも差が出ますし、ステロイド軟膏を使うかどうか?、ステロイドを使うとすると局所的にか、全体的にか?、薄く塗るか、濃く塗るか?、よくなり次第塗るのを止めるか、しばらく塗り続けるか?。

他にもあるでしょうが、これだけの項目があり、それぞれの組み合わせがあると考えると、アトピー性皮膚炎の「治療」パターンは無数にあるといってもいいかもしれません。

アトピー性皮膚炎の治療について勉強していると、おそらく日本の第一人者はアトピー性皮膚炎と診断し、ステロイド軟膏を主に使い、広い範囲に、濃く塗るというやり方だろうと思います。

一方、専門でない医師は、アトピー性皮膚炎とは診断できず、ステロイド軟膏は選択したがらず、局所に薄く塗るというやり方を選択するだろうと思います。

つまり、第一人者のやり方は、だいたい一致しているだろうと思うのです。選択肢はいくつも組み合わせがあると言いましたが、実は普通の医者の選択したがる方の逆を選択し、ガッチリと治療するのだろうと思います。

第一人者はアトピー性皮膚炎という治りづらい慢性の湿疹に対し、逃げずに正面から向き合って、何とかしようとすると一方で、専門でない医師は、敢えて言えば、かわそうとしているのだろうと思っています。これでは治る方向になんて持っていくことはできません。

ステロイド軟膏の副作用を起こさないようにしつつ、かなり攻めたやり方で、湿疹を抑え込み続けることが非常に大事になります。このやり方をマスターするのは簡単ではないため、アトピー性皮膚炎の治療に精通することは非常に困難だと言えると思います。

どうでしょう、食物アレルギーやぜんそくよりも治療しにくいというのは、少しは伝わったでしょうか?。

<<前の記事 一覧 次の記事>>