小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

あなた次第
2021/10/05
都市伝説を「信じるか信じないかはあなた次第」なんてフレーズが以前はやりました。

医療もそんなところがあります。

先日、成人の男性が当院を初診されました。大人は普段は診ていないのですが、食物アレルギーの相談ということで、受診していただきました。

ぜんそくがあって、小児科でずっと診てもらっており、現在は治療が終了しているそうです。話を聞くと、台風や寒暖差でぜんそく発作が起きやすいようです。

気になって、現在のこの患者さんの呼吸機能を見たいと思い。呼吸機能検査を実施することにしました。

検査してみると、当院では見たことのないような低い肺機能でした。発作も起こしていないのに、細い気管支の点数をつけるとわずか50点でした。ぜんそくのガイドラインを開いてみると、そっくりのデータが掲載されていました。

ぜんそく発作を起こすと気管支が狭くなります。細い気管支が狭くなって普段の太さの半分になっていると言ったらいいでしょうか。

発作が起これば、気管支の径が細くなっても仕方ないでしょうが、この患者さんは発作を起こしていない状態で検査を行ったのです。

つまり、ぜんそく発作を繰り返し、気管支が炎症を繰り返すことで、気管支が腫れぼったくなって、発作状態にあるような感じと捉えていただいて構わないと思います。

要は、ぜんそく発作を繰り返し、気管支に大きなダメージを負わせてしまっているということです。この患者さんの場合、普段はギリギリ無症状かもしれませんが、ちょっとした刺激でぜんそく発作を起こしやすくなっており、気管支の太さが30%、40%になり得るということでしょう。

このような状態は、是非とも避けるべきです。だからこそ、小児ぜんそくは子どものうちに治療して治す努力を行うべきなのです。

こうなってしまうと、完治は困難だろうと思われます。肺機能検査で患者さんの肺の状態を評価できるような医師でないと、こういった重症な患者さんは診るべきではないと考えていますが、医師自身が「自分でも十分対応できる」と思い込んでいるのでしょう。

かなり危険なことだと思っています。患者さんは近くのかかりつけの腕を信用しているのでしょうが、アレルギーなどは専門医でないと対応できないようなことは沢山あります。

結局、医師の腕を信じるかどうかはあなた次第ということになってしまうのです。信じ過ぎてしまうと、今回のようなことが起きてしまうし、実際に全国各地で繰り返されているというのが真実だろうと思っています。

<<前の記事 一覧 次の記事>>