小児科 すこやかアレルギークリニック

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心掛けていること
2022/08/05
水曜午後は、当院は休診になっています。

以前からその時間帯を利用して、食物アレルギーの講演活動に充てています。お陰さまで、ボーッとできる水曜午後はほとんどありません。

以前聞いたことがあるのですが、上越市内の学校に救急隊員が来てエピペンの指導をすることもあったとのこと。それを聞いて、「分かっていないな」というのが私の感想。

いやいや、「救急隊員の中には救急救命士という資格を持っていて、エピペンを打つことができるでしょう?」と言われそうです。

確かに、エピペンの打ち方は教えてもらえるかもしれません。私はこういった院外活動を10年以上やってきていますが、心掛けていることがあります。

食物アレルギーの現実を知ってもらうということです。

いつも書いていますが、低年齢から少しずつ食べさせていると、特に卵、乳、小麦はほぼ治ります。おそらく、専門ではない普通の医師が食物アレルギーと診断している場合、軽症、中等症、一部の重症までは治せる可能性があります。超重症なお子さんは治すのが困難です。

となると、当院に継続的に通院している患者さんは多くが食べられるようになり、残りの一部が少量でも食べるのが困難で治らないということになります。

そういうお子さんを誤食させてしまえば、エピペンが必要になるくらいの症状を起こす可能性が高いということです。こういうお子さんに対しては、躊躇なくエピペンを打ったもらいたいと思います。

そして、専門医にかかっておらず、ずっと除去しているお子さんも、要注意です。誤食によってアナフィラキシー を起こす可能性が高いと言えます。

つまり、より重症な、アナフィラキシー を起こしやすい子をあぶり出し、食物アレルギーの対応をすべきお子さんを少数化し、緊張感を持って望むという感じでしょうか。

アナフィラキシー ショックを起こすと、血圧低下が見られたりますが、意外と分かりにくいところが難点です。発見が遅れ、エピペン対応が遅れる可能性があります。

より重症を明確にし、見極めるポイントをお話しするようにしています。専門医がおらず、救急隊員がやむを得ず話をする地域もあるかもしれません。

アナフィラキシー はこういう症状が出て、それが見られたらエピペンをこうやって打って、救急搬送してくださいでは、味気ないし、学校関係者の記憶にも残らないと思うのですが...。

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