小児科 すこやかアレルギークリニック

病院からのお知らせ

休診のお知らせ

6/16(土)は休診
2012/05/26

6月16日(土)は学会に参加するため、休診とさせて頂きます。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解の程、宜しくお願いします。

医師たる者、やはり時々は学会に参加して最新情報を学んでくるべきだと思っています。

先日、ぜんそくの患者さんが当院を初めて受診されました。元は別の小児科に行っており、あまりに発作を繰り返すので、次の小児科に行き、パルミコートという吸入薬を処方されました。この吸入は、液体で吸入器という機械を使って吸入するものです。

重症なぜんそくの乳幼児にはお勧めの治療法であり、実際に繰り返していた発作はかなり起こさなくなったようです。つまり、とても有効な治療だったということです。

ところが、ある理由でスパッと中止になりました。パルミコートは比較的新しい薬ですが、発売当初は生後6か月から5歳未満の乳幼児が適応とされていました。親御さんの話では「5歳で使えなくなるから」という説明を受けたそうです。

その話を聞いて「えっ」と思いました。しばらく前にその“縛り”は取れているのです。つまり、5歳以上でも処方していいことが決定されています。調べてみると2010年の秋に決まったことでした。学会に参加していれば、こういう「朗報」は入ってくるのです。

私がいつも食物アレルギーの診療には「食物負荷試験」が欠かせないと言っています。

アレルギー関係の学会に参加すると、最近食物アレルギーが注目されていることもあり、参加する小児科医は多いのです。ただ、新潟県からの参加者はあまり見かけません。それで患者さんには「2歳まで除去が必要」なんて言っている医師もいます。

私は「2歳まで除去という根拠を示して下さい」と言ってやりたいのです。食物アレルギーの患者さんを多く診ていると、1歳で食べられる子もいるし、小学校に上がっても食べられないお子さんもいます。

学会では2歳がどうのこうのとは言っていません。「食物負荷試験」をやってなるべく早く食べられるものは食べさせるべきというスタンスを取っています。これも何年も前から、そう言われているのです。

アレルギー以外では、正直自信のない場合もあります(汗)。他の分野でも、私のよく言うガイドラインは存在し、例えば時々相談を受けるのですが、「夜尿症」にもガイドラインはあります。

夜尿症にも、病型があり、それに基づいた治療法を選択することになっており、私は内分泌の専門ではありませんが、その通りに診断し、推奨する治療をすると夜尿の回数は明らかに減ります。

自分なりにやってみて、私の手に負えないと思えば、専門医に紹介しており、役割分担は果たしているつもりです。そうすることで、患者さんには質の高い医療を提供できると思っています。

食物アレルギーに詳しくない医師が「2歳まで除去」などと説明していると、「食物負荷試験」のことはご存知なはずですから、自分でも根拠がないことは知っていると思います。「心が痛まないのか?」って思います。

結局、「正しい医療、根拠のある医療をやりたい」と思っていれば、そういう気持ちが学会へ足を向かわせることになるのだと思います。

2月18日(土)は休診
2012/02/14

今週末のことになりますが、食物アレルギー研究会に参加、発表のため、休診にさせて頂きます。ご理解を頂きたいと思っています。

最近、患者さんから「倒れないように」と気遣われます。有り難いことですが、こっちが気遣う立場なのにという思いもあります(汗)。

確かに、1月に入っての講演やテレビ収録のハードスケジュールさと言ったら尋常ではありませんでした。毎週のようにやらなければならないことがあり、それそれが言い方は変ですが、手抜きのできないものばかりだったので、目の前に重くのしかかっている状況でした。

2月は、18日の食物アレルギー研究会と23日の某市での園関係者の方々に食物アレルギーの話をすることになっています。今月のこれからの予定と言ったらそれくらいなので、ようやく子どもとスキーに行けるかなと思っています。

ただ、食物アレルギー研究会の発表も、この週末である程度進んだとはいえ、完成度を上げなければなりません。今週に入って、急にインフルエンザが猛威を振るい始め、当院のようなアレルギーの患者さんが多いようなところでも、インフルエンザが陽性となる患者さんが増えています。

「とにかくインフルエンザを調べて欲しい」という親御さんも多いですが、陽性なら抗インフルエンザ薬を処方することになるのですが、陰性だった場合は、他に熱を出す病気がある訳です。親御さんも場合によっては医師も、インフルエンザが陰性なら「じゃあ、風邪か」と考えるようですが、今はその他にも溶連菌が流行っているし、アデノウィルスも見かけます。滅多にないことですが、溶連菌を見逃し、急性腎炎になってしまったら問題です。

胃腸炎も、これまでは軽症の方が多かったのですが、黄色い胆汁まで吐いてしまうような重症なものも一部混じります。ここにきて、診療が輪をかけて忙しくなってきました。先月の院外活動が超忙しい時に、重ならなくて良かったと言えるのかもしれません。

アレルギーだけでなく、感染症も根拠のある医療をやろうと思えば、手間がかかります。必要のない点滴をするのは営業目的の医師のすることで、プロとは言えないし、持てる知識や技術を使い、なるべく診断を確定し、それに見合った治療をしなければなりません。医院が混雑すれば、その分神経もつかいます。

自宅に帰るとヘロヘロなので、一旦仮眠を取り、それから学会や講演の準備をする日々が続いています。とりあえずは、目先の食物アレルギー研究会の発表を無事にこなしたいと思っています。

1月7日は休診です
2012/01/05

年末年始のお休みが終わったばかりで恐縮ですが、7日(土)は福岡でアレルギーに関する勉強会がありますので、休診にさせて頂きます。

昨年秋に小児ぜんそくと食物アレルギーの「ガイドライン」が改訂になりました。各々について、ガイドライン作成委員の先生から説明して頂く勉強会です。ちなみに、食物アレルギーの説明は、昨年のすこやか健康フェアで講師を務めて頂いた柴田先生です。小児ぜんそくの方はガイドライン作成委員長の先生ですので、かなり贅沢で、学会なみの布陣といえると思います。

休診にするからには、収穫がなければ意味がないため、多くを学んでこようと思っています。ご理解のほど、宜しくお願い致します。

年末年始のお休みのお知らせ
2011/12/23

12月29日(木)から1月3(火)まで年末年始のお休みとさせて頂きます。ご了承ください。

当院は、アレルギーという慢性疾患を主に扱っているため、内服や軟膏といった薬を連用しているお子さんが多いのです。

当院の場合、ぜんそくのお子さんが熱が出て、ゼーゼー言ったと親御さんがお子さんを連れてこられることも多いのですが、いつも申し訳ない気持ちになります。確かに風邪などで急に熱が出ることはよくある話です。“風邪を引かせない”という方法もなく、しかも、ぜんそく患者さんは風邪を契機に発作が誘発されることも、よく見られることです。

ゼーゼー言って、眠れなくなると「自分の治療が悪かったのではないか」と思うのです。アレルギー専門医は、ぜんそくを診る上で、「いかに発作を起こさないようにするか」ということを考えているので、発作を起こすとガッカリするし、発作がなければ「よかったね〜」と思います。

その子のぜんそくという病気を丸ごと抱え込む気持ちで診ていますので、発作を起こせば親御さんとともに悲しい気持ちになるし、それ以降は発作を絶対に起こさせないようにしようと考えるのです。

お盆や年末年始というまとまった休みの直前になると、私にスイッチが入り、その休みの間に「いかに悪くさせないか」を考えるのです。先程述べたように、それはいつも考えていることですが、当院も休みだと患者さんも受診できない状況にあるので、患者さんを路頭に迷わせないようにする責任があると思います。

少し前から、休み直前のモードに切り替えられています。この時期になると、毎年忙しくなります。普段から真面目に通院されている方も、心配になって早めに受診されることもありますし、普段かかっていなくても、咳が出ると飛んでくる方もいます。いろんな患者さんで、外来がごった返すのです。昨日も電子カルテの待っている人数が40人になって、相当焦りました(涙)。

冒頭に述べた通りのお休みを頂こうと思いますが、となると今年の診療はあと4日間(ただし28日午後は休診)となります。

最近、昨日も触れたような院外活動が多く、ある原稿も年末までに終わらさなければなりません。正直、身体の疲れは感じています。もう少しすれば、身体を休ませることができるのですが、それまでの4日がかなり大変そうです。予約システムを見ると、予約が入らないくらいの状況になっています。

かといって、アレルギーの患者さんの場合、他院で十分な対応ができないこともあり、何とか頑張って患者さんには「平穏無事な年末年始」を送って頂きたいと願っています。

24日の午後から
2011/11/22

地元の養護教諭の先生への講演が迫ってきました。

講演の話を頂いた時に、24日(木)の午後と指定されました。当院は木曜の午後は休診ではないので、24日は午後からは休診となります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解の程、お願い致します。

上越の地に開業して4年になりますが、呼吸器感染症やぜんそくは、医師によってかなり診断や治療にバラツキがあるようです。幼稚園や保育園でも、感染症での登園許可の判断が医師によって異なる場合もあるようで、園の先生方もかなりお困りのようです。

福岡の専門病院で患者さんを救うのは、ガイドラインに沿った、医学的根拠のある医療であることを思い知らされたため、それまでのやり方がかなり“いい加減”だったことに気付かされました。

私も何でもできる訳ではありませんが、感染症やアレルギーといった日常よく診る病気に関しては、的確に診断し、適切に治療できるように心掛けているつもりです。当然、ガイドラインを参考にし、なるべく曖昧なことはしないようにしています。

それが評価されて、市内では一番新しい小児科ですが、昨年行なわれた地元の養護の先生を対象としたアレルギーの研修会で講演を依頼され、そして今年も呼吸器感染症とぜんそくについての講演をやる予定になっています。

これらの疾患についても、各々の医師がいろんなことを言ったり、やったりするので、養護の先生もお困りだと思います。ビシッと根拠のある診断や治療法を提示し、スッキリして頂こうと思っています。白羽の矢が立ったので、期待は裏切られないと、24日の午後は休診にせざるを得ませんでした。

私自身、収入を上げようと開業した訳ではありませんし、これまでも学会やすこやか健康フェアなどで、開業医としてはかなり休診は多くなっています。地元のレベルアップのために啓発にも力を入れているため、それは必要なことと考えています。

ただ、最近はRSウィルスはとても多いし、熱や咳の年長児はマイコプラズマのお子さんも混じります。かかりつけは別でも、呼吸器症状の時は当院を受診される患者さんも多く、診療はかなり忙しい状況です。

マイコプラズマの場合は、血液検査の炎症反応が高くなる訳ではないので、いわゆる風邪の値と区別が付きにくいのです。よく触れているマイコプラズマの迅速検査は、使っている小児科医は多いものの、信頼性にかなり問題があるため、当院では用いていません。それを使って“マイコプラズマ”と診断している先生の「マイコプラズマが多い」とする感染症情報は参考にできないので、自分の力だけが頼りです。

先日のNHKの「今日の健康」でも長引く咳の特集の時に、マイコプラズマの場合は、検査がすぐに出ないので、医師がある程度予想を立てて、治療をしていくと言っていました。確かに、問診や聴診で見逃しは減らせると思っています。

先日、熱と咳で受診された患者さんは、背中にはっきりと肺炎の音が聞こえたため、胸のレントゲンを撮ってみると肺炎像を認めました。最近、話題の耐性菌が強く疑われましたので、その時用の薬を使い、点滴はせずに内服でしっかりと治療できました。最近は、重症でなければ、肺炎であっても外来治療は可能です。今シーズンは既に何人も、耐性マイコプラズマによる肺炎を内服のみで治療しています。

実際にあった話は、講演でも説得力があるため、今回の講演ではマイコプラズマの治療をはじめ、ぜんそくでも私が扱ったケースをちりばめてあります。

実は、講演の資料の提出が22日の朝と約束しているので、それまでにスライド資料を完成させなければなりません。睡眠時間を削って、やるしかありません(涙)。

そんな中ではありますが、また上を見ればきりがありませんが、とりあえず9割方は満足できる資料がほぼ完成しました。あとは説得力のある説明ができるかどうかだと思います。

上越の養護教諭の先生方に、マイコプラズマはこう診断して、多くは点滴せずに治療できることなど知って頂きたいし、先日発刊されたばかりの小児ぜんそくのガイドラインも紹介し、呼吸器感染症とぜんそくの最新治療について理解して頂こうと思っています。

8月26日(金)は休診となります
2011/08/20

19日が夏期休暇後、初の仕事となりました。

当院が休みの間、他の医療機関を受診されたいた方も何人かおり、ご迷惑をお掛けしました。

個人経営だと、ちょっとしたことで受診が減るんじゃないかという不安はあります。今回も、休みが長かったりすると、患者さんから敬遠されてしまうのではないか?などという考えも正直ありました。

小児科といえば、だいたい診察が速く、聞きたいことも聞けないまま、診察室を出る羽目になるということが多いと思います。子どもの場合は、軽症が多く、ほとんどが感染症なため、自然治癒傾向にあり、それでも治るものは治ってしまいます。そうではあるものの、私も同じことをしてはいけないと思っていますので、それだけは心掛けてきたつもりです。いつもの患者さんが待ってくれていて、嬉しく感じました。

ただ、「時差ボケ」のせいか、自分の体が自分のものではないような感覚はありました。

休暇前は、学校の養護の先生を対象とした講演会があり、診療をしつつ、講演の準備もしなければなりませんでした。150人くらい集まって下さるという話で下手な話もできません。入念な準備が必要です。さらに、昨日告知もした「すこやか健康フェア」の準備も同時並行で行なっており、猫の手も借りたい程でした。

それが旅行の間は、リフレッシュができ、休み明けは頭や体の疲れは取れていました。そんな状態で診療をするのが久しぶりだったせいか、やる気はあるものの、体が空回りしているような不思議な感覚でした。診療していると、それが徐々に元通りになり、やがていつも通りの感覚に戻りました。

当院はアレルギーの患者さんが多いため、翌日だったり、2〜3日後に再診をしてもらうことはほとんどありません。短くても1週間後ということが多いのですが、19日もつい「1週間後にどんな感じか診せてもらえますか?」と言ったら、「1週間後は休みですよね」と切り返されてしまいました。

「えーっ」と思うと、患者さんの言う方が正しいでした(汗)。26日(金)は休診でした。そのことをうっかり忘れていました。

「また休むのかよ」と突っ込まれそうですが、佐渡で講演があります。これまで講演といえば、水曜か土曜の午後に予定を入れていましたが、金曜がご希望ということでした。診療を休むと、当然収入は減りますし、患者さんにも迷惑がかかります。ただ、これからの医師は外に出ていき、正しい知識を持って頂く努力が必要だと考えています。

増してや、アレルギーの子どもは増えており、しかし、昨日も触れたように医師の言うことが異なり、患者さんが一番迷惑しています。患者さんは、ガイドラインに基づく医療を受ける権利があるのです。

全国的に見れば、私よりも良い講演をできる小児科医は沢山います。ただ、新潟となると話は別で、声を掛けて頂ける限りはそれに応えていかなければならないと考えています。

ということで、佐渡の養護の先生を対象とした講演会があり、朝から出掛ける予定となっています。なお、さすがに27日(土)も休むという訳にはいかず、ちょっと強行軍で、日帰りで行ってきます。

またご迷惑をお掛けすることになってしまいますが、ご理解の程、宜しくお願い致します。

夏期休診のお知らせ
2011/08/03

8月11日(木)から18日(木)まで夏期休診とさせて頂きます。ちょっと長めとなっていますが、ご了承ください。

小児科医として診療していると、「そこまで心配しなくてもいいのに」と思うくらいちょっとしたことで真剣に悩む親御さんもいらっしゃいます。

小児科医として駆け出しの頃も、親御さんの気持ちをくむようにしていたつもりですが、それがあることを契機に大きく変わりました。それまでが言わば中途半端なものだったと気付かされました。あるきっかけとは、自分が親になってからです。こればかりは、自分がそういう立場になってみないと実感できないものだと分かりました。

時々、医療に関して厳しめのことも書いていますが、小児科医は子どもの健康を守るとともに、親御さんを気持ち的に楽にするのも仕事なのだと気付かされました。ガイドラインは上手くできていて、ガイドラインに沿って診断して、治療すると、ほとんどの患者さんが速やかに改善します。

ガイドラインを守らなければ、治りが悪いので、患者さんが何度も通うことになり、医院は経営的に有利になるというおかしなことが起こります。ガイドラインがなぜ普及しないかを考えると、中にはガイドラインを守ると不利だからと思う医師もいてもおかしくないと疑ってしまうくらいです。

当院には、ここで繰り返し書いているにもかかわらず、マイコプラズマと誤診された、ぜんそくの患者さんが、毎日のように当院を訪れています。夏場は汗ももできやすいのも確かですが、明らかに汗もでなく、ウィルス性発疹症と診断すべきところに、スピラゾンローションなどというステロイド外用薬が処方されています。診断が違うので当然、良くはなりません。こんなことをしていては、患者さんからいずれ見向きもされなくなってしまうと思います。

小児科医は、特に自分が親になっていれば、子どもが健康を害した時の不安な気持ちを理解できるでしょうから、ミスを繰り返さないように努力すべきなのです。私も「あの時はこうすれば良かった」と反省することもよくあります。当然、自分に向けられた言葉でもあります。

さて、自分が親になって分かることは他にもあります。自分の親の有り難みです。子育てしてみると、自分がいかに親に迷惑というか、手間をかけさせていたのかよく分かります。私も“子”であり、親がいますので、両親は大事にしないといけないと思うのです。

うちの親は医者ではないのですが、自営業を長年やっていて、数年前にリタイアしました。ずっと忙しかったので、どこにも行けなかったのですが、お陰さまで、気力は充実しております。頭が下がるくらい好奇心旺盛で、これまで行けなかったところを見てみたいと言っておりますので、この休みの間は、私がマネージャーとして旅行に連れていくつもりです。

先日、負荷試験にきた小学生の女の子に、休診が長い理由を聞かれ、もちろん正直に答えました。こっそり行くつもりもありません。開業医は、なるべく休まないのが“常識”なのかもしれませんが、私も子であり、こういう機会は時には必要と思っておりますので、ご理解の程、宜しくお願い致します。

6月4日(土)
2011/05/27

6月4日(土)は、横浜で日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会があるため、休診とさせて頂きます。

先日、小児科に通っても湿疹が治らないと1歳のお子さんが当院を初めて受診されました。市内のA小児科に行っても良くならず、B小児科に通っても改善しないため、お母さん仲間に相談したら、当院の存在を知り、受診して下さったのだそうです。

一見してアトピー性皮膚炎がありました。アレルギーは親の影響を受けやすいため、家族歴の聴取も大切です。父がぜんそく、母も子どもの頃、ぜんそくがあったそうです。この情報だけで、アレルギーを極めて発症しやすく、アトピー性皮膚炎が出てもおかしくないことが分かります。ただ、アトピー以上にぜんそくが出やすいことも理解できます。

ところが、アトピー性皮膚炎とも診断されず、咳が長引いていても“風邪薬”しか出されていませんでした。病気は何でもそうですが、早期発見早期治療が大切です。アトピー性皮膚炎は、なるべく速やかに適切な治療をしないと、特に重症例では難治化してしまうこともあります。

当院の場合、上越市内でまだまだ知名度が低いようで、今回のように3件目として選ばれることもまだまだ多いようです。中には、適切な治療の遅れにより、相当に悪化してしまっている場合もあります。となると、学会に積極的に参加して、難治化したケースにはどういう治療を施したらいいかを知っておく必要があると思うのです。

また、70キロ離れた某市から咳が長引くというお子さんが初診されました。以前かかっていた小児科で、ぜんそくの診断もなされていないのに、ぜんそくの薬が何ヶ月も処方されていました。この春に某市に引っ越されたのですが、今度は“風邪”と診断され、薬を飲んでも一向に改善しない状況だったそうです。

この患者さんのお母さんのお姉さんから「ぜんそくだから、田中先生のところに行きなさい」とアドバイスをもらい、それで当院を受診されたそうです。

話を聞いてみると、私が勤務医時代に診ていた難治性の乳児ぜんそくのお子さんのお母さんが、今回の“お姉さん”でした。非常に残念なのが、医療機関を複数受診していたにもかかわらず、ぜんそくと診断されておらず、素人であるお姉さんがぜんそくと診断している点です。

勤務医時代に、難治性の乳児ぜんそくの患者さんは何人も診ていましたが、そのうちの一人でした。毎日ゼーゼー言うくらいの重症だったので、入院して頂きました。通常はぜんそく発作を起こすと、1週間以内の治療で済むと思いますが、このお子さんは症状を落ち着かせるのに3週間くらいかかりました。

その後も私が前勤務先を辞めるまで、外来で経過を診ていましたが、今は調子がとてもいいそうです。研修にいった福岡の病院で、極めて重い赤ちゃんのぜんそくを診ていたので、その時の経験も活かして治療に当たらせて頂きました。

偶然ですが、思い入れを持って治療に当たった患者さんの現在の様子を聞くことができ、よかったと思っています。と同時に、私の治療から5年は経っていますので、私のことを覚えていてくれて嬉しく思ったし、妹さんのお子さんも診ることになるとは思ってもいませんでした。

70キロ離れているので、最初はその土地のぜんそくの心得のある小児科の先生にその後の治療を委ねるつもりでした。当院には100キロ離れた街からぜんそくで通院して下さっている患者さんもいますが、70キロの距離は定期通院には遠いと思ったからです。ところが、当院に通院されることを希望されましたの、当院でと治療させて頂くことになりました。

今のところ、お姉さんのお子さんよりは重症ではないですが、期待されている分、キチンと対応しなければなりません。冒頭の見逃されていたアトピーとぜんそくの患者さんも含めて、期待されていきなり当院を受診される患者さんも少なくないため、日頃から他院で対応しきれないようなアレルギーの患者さんの治療を勉強しておかなければなりません。

今回、私の参加する日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会は難治なアレルギー疾患が取り上げられるので、臨床に重きを置いている私には丁度勉強になる学会かと思っています。

かかりつけの患者さんや受診しようと考えていた新患の患者さんにはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

研究会の準備(休診のお知らせ)
2011/02/14

先週末は、休日夜間診療所で仕事がありました。

市内の発熱の患者さんが、どっと押し寄せた感じでした。ちなみに通常は受診のほとんどが子どもなのですが、今回は発熱の大人が多く、そのうちの多くがインフルエンザの患者さんでした。インフルエンザが上越で流行っていることを実感できました。

溶連菌やおたふく風邪、胃腸炎の患者さんも一部混じりました。胃腸炎のお子さんの親御さんから聞いたのですが、ある医院さんで、嘔吐1回、下痢1回で「胃腸炎なので、点滴が必要だ」と説明されていました。当院も含めて、多分、ほとんどの小児科医が点滴の適応とは考えないと思いますので、ビックリしました。医療機関によって、点滴するかどうかの判断が相当バラツキがあるなと感じました。

当院では、点滴は最大で5人程できるスペースがありますが、5人というのはこの辺では多い数字ではないと思います。その5人でさえも埋まったことはありません。上越にある「点滴待ち」(点滴のスペースがすべて使用中で、点滴してもらうのにスペースが空くまで待たなければならないこと)という言葉は、適応が緩いからそうなっているのかと思いしらされました。

いつも言っているように、小児科医が同じ患者さんを診ても、点滴を実施するかどうかの適応から、診断名、治療までも変わってしまうのは、とても不思議なことです。多分、一番多いところと少ないところ(当院)の差なのだと思います。私は、小児科医たるもの、子どもの痛がる治療は必要最小限にするのが望ましいと思っています。

当院の場合も、極端に点滴を避けている訳ではなく、本当に必要な患者さんには実施しています。長年小児科をやっていると、点滴をすべきかどうかはだいたい分かってきます。点滴をしないで乗り越えられれば、しない方がいいのです。過剰な治療は避けるべきでしょう。いろんな経過をみているベテランになればなる程、点滴の実施は減らなければおかしいと思っています。

さて、週末に食物アレルギー研究会が迫ってきました。19日(土)は休診とさせて頂きますので、ご理解をお願い致します。

新潟県内の困っている患者さんを救うために、医院を休診にしてまで、学会に参加して新しい情報を仕入れてこなくてはなりません。ただ参加するだけでは、もったいないので当院の食物アレルギーに関しての取り組みを発表してこようと思っています。

日本の第一人者の先生方の多くが参加されます。当院では食物アレルギーで困っている親御さんの不安を軽減させることに力を入れているつもりですので、その試みを聞いて頂こうと思っています。もしそういった先生方が診ている患者さんが新潟に引っ越される時は、多少遠くても知識や技術を持った医師に紹介したいと考えていると思うので、当院が新潟県で専門的な医療をやっていることも知って頂くチャンスでもあります。

先日も、ある小児科で2歳まで卵料理は完全に除去するよう指導されていた患者さんがおりましたが、食物アレルギーは、治りの早い子もいれば、なかなか治らない子もいます。アレルゲンも1種類だけから、複数種類に渡っている場合もあります。個別に診る必要があるため、“2歳”というのは何の根拠もないのです。以前からずっと同じ指導をされているようです。

医学は進歩しているため、学会に参加するなどして、新しい情報を仕入れておかなければなりません。患者さんに大きな迷惑をかけてしまうのです。特に開業医は、誰も「あなたの治療は間違っている」とは教えてくれないため、10年前の医療を平気で行っている小児科医も存在しているのです。

食物アレルギーで困っている患者さんが当院を受診されると、ガイドラインをもとに今の考え方や「食物負荷試験」について説明するのですが、大抵の親御さんが「(前医のことを)信じていたのに...」とおっしゃいます。

患者さんからすれば、端から見れば、“立派なお医者さん”に見えるのでしょうが、食物アレルギーに関しては、多くが専門医ではなく、当院の患者さんの親御さんの方が、下手な小児科医よりは食物アレルギーの知識を持っているくらいです。

週末は、電子カルテの画面をにらめってしていました。カルテを使って、データ入力を行っていました。私の悪いクセで、直前にならないとエンジンがかかりません(汗)。頭の中で、こういうように話を進めていこう、発表スライドを作ろうというイメージができているつもりなので、「まだ大丈夫」なんて思っているのです。

来週には、中越の某市にアレルギーの講演に行かなければならず、こちらの準備も進めなければならないのですが、食物アレルギー研究会が終わらなければ、手が空きません。

しばらく忙しい日々が続きそうです。

1月8日(土)は
2011/01/06

年末年始のお休みが終わったばかりですが、1月8日(土)は休診とさせて下さい。

当院は慢性疾患で受診して下さっている患者さんが多く、特に土曜は市外からの受診も大勢あるため、土曜を休診にするのは正直はばかられます。

しかし、1月10日前後に例年私のお世話になった福岡の恩師の門下生が集まり、勉強会が行われます。平成13年に福岡に勉強させて頂きに行って以来、毎年欠かさずその会合に参加しています。

いま話題の経口減感作療法について初めて知ったのも、この勉強会を通してでした。昨年は新型インフルエンザの新しい情報も教えて頂きました。アレルギーの最新情報を日本を代表する先生から直接レクチャーして頂けるのですから、アレルギー学会に参加するくらい勉強になります。

参加するのは、要はアレルギーのプロ集団であり、私よりも様々な経験を積んだ先生方も含まれます。日頃対応に困っている患者さんの相談もしたりできますし、一緒に働いた仲間、先輩と交流を深めたりすることもできます。

年末年始の休み明けではありますが、当院の恒例行事とも言えます。かかりつけの患者さんにはご迷惑をお掛けしますが、ご理解をお願い致します。

年末年始の休診のお知らせ
2010/12/23

12月29日から1月3日まで年末年始のお休みとさせて頂きます。ご了承ください。

ここのところ、昼休みも取れないような状況が続いています。

胃腸炎の他、溶連菌もかなり多いです。RSウィルス、アデノウィルスもそれなりに見かけます。

まず診察をして、嘔吐や下痢があるなら、胃腸炎と診断していいでしょうが、発熱の場合はどこからの熱が見極めなければなりません。

のどが赤ければ、いわゆる風邪も多いですが、溶連菌、アデノウィルスも考えなければなりません。アデノウィルスの場合は、のどに膿が付くことが多いのですが、そうでない場合もあります。それ以外の扁桃炎も見かけます。

患者さんのほとんどが、熱が出た=抗生剤の点滴と思っていらっしゃいますが、そんなことはありません。溶連菌なら、抗生剤の内服が著効しますし、アデノウィルスなら、ウィルスが原因なので抗生剤の効果は期待できず、使っても無意味です。

ということは、どちらかを見極める必要があります。治療が全く異なるので、プロならプロらしく調べる必要があるのに、調べられておらず、点滴が行われているケースも見かけますが、これは由々しき事態です。逆に検査しない方が、医院にとって有利だったりするのでしょう。

結局、感染症でも「正しい診断、正しい治療」が大切と言えます。当院の場合、診察して、溶連菌やアデノウィルスの可能性が高いと思えば、検査をさせて頂いています。検査結果を説明するために2回目診察室に入って頂き、原因が特定できず、高熱が続く場合は、血液検査のため採血させて頂いています。この場合は3回診察室で説明しなければなりません。

混雑している外来で、同じ患者さんに3回診察室に入って頂くことは、ある意味“タイムロス”とも言えるでしょう。しかし、お子さんの熱などの症状で心配して受診して下さっているので、本当ならタイムロスと言う言葉は当たらないはずです。

診療に時間がかかり、その結果昼ご飯を食べる時間がほとんど取れなくても、それは仕方ないと思っています。ただ、私自身は我慢できますが、スタッフには申し訳なく思っています。こんな状態が続いていますが、致し方ありません。

無駄な点滴をなくすために、おかしな医療を減らすために、今後も細菌とウィルスの違いを広め、医院間の医療レベルの違いなども地元の患者さん達に知って頂く努力をしていかなければならないと思っています。

12月4日(土)は
2010/12/02

12月4日、5日と横浜で日本小児アレルギー学会が開催されます。

当院はアレルギーにこだわって診療しており、日頃から根拠のある医療を行いたいと考えています。

食物アレルギーに関しては新潟県では、「アレルギー検査が陽性であれば食べてはいけない」と指導されることが多いと思います。新潟ではスタンダードでも、アレルギー専門医の間では“根拠のないこと”です。

食物アレルギーに関しては、最近は感染症ネタが多いかもしれませんが(汗)、いつも言っている通り、「食物負荷試験」によって食べられる、食べられないの判断をすべきです。にもかかわらず、周囲では一向に広まる様子もなく、当院への患者さんの紹介もまずない状態です。紹介があれば、他院の患者さんであっても食べられるか判断してお返しするつもりなのですが、この現状をどう理解すればいいのでしょうか?。

どの医師も言うことが正しいのなら、わざわざ遠くから当院まで患者さんが来る必要はなくなります。しかし、医師のやっていることには、患者さんが思っている以上の違いがあります。

日頃から食物負荷試験をやっているから分かるのですが、卵の値がクラス0でも卵焼きを食べて蕁麻疹が出ることがあります。一方、クラス6ならほとんどの小児科医が卵を微量に含むビスケットも「食べてはいけない」と指導すると思いますし、インフルエンザの予防接種も「危険だから打てない」と言っていると思います。先日の負荷試験では、クラス6のお子さんが卵焼き1個を何の症状もなく完食できましたし、インフルエンザの予防接種も問題なく接種できています。

食物負荷試験をしなければ、この患者さんは何年も卵を食べることはできなかったと思いますし、予防接種もできず、インフルエンザにかかり重症化していたかもしれません。かかる医師によって、言うことややることが180度かわることがあるのが、食物アレルギーの分野だと思います。乳幼児の間では5〜10%の頻度でみられる食物アレルギーですが、新潟県では極めて少ないアレルギー専門医のみが、根拠のある医療をやっているのが現状と言わざるを得ません。

平気で10年以上前の治療がなされている場合も目にします。新潟はアレルギー科を標榜する医師が多いのですが、そうであってもです。食物アレルギーは最近は「食べて治す」なんて考え方も出てきており、なおさら目の離せない状況になっています。もっと医師達がアレルギー学会に参加して、最新情報を学んで欲しいと思っています。

日曜の夜に「獣医 ドリトル」という獣医を主人公にしたドラマをやっています。一応医療関係と言うことで観ています。週末に診療以外の仕事を依頼された主人公が、その仕事を受けようかちょっとためらいます。その時、「土日は稼ぎ時なんだから」と言うのですが、獣医さんの場合は日曜も診療するようですが、確かにペットを連れて行くには土日が受診しやすいですよね。

言い方は好きではありませんが、小児科も土曜は“稼ぎ時”です。午前中の外来も相当混雑していますし、本来なら午後にインフルエンザの予防接種も平日の何倍もできるはずです。この季節の休診による減収は痛いのは痛いですが、“10年以上前の治療”をしないため、なるべく最新の医療を提供するには、学会に参加すべきですし、休診やむなしと考えています。いろんな医師がおり、何を優先するか様々なんだろうと思います。

患者さんにしてみれば、いつも休まずに診療している医師が良いかとお思いでしょうが、これだけ医学が進歩し細分化されてくると、休まずにそれなりのレベルをキープすることは私は不可能だと思います。

医院の「アレルギー科」の標榜は自由で、「アレルギー科」=「アレルギー専門医」ではないのです。この辺が患者さんを混乱させている主な要因になっていますので、アレルギー学会に参加しなければ、標榜できないようにすることができないのかというのが本音です。

4日(土)は学会に参加して、当院の食物アレルギー診療について発表もしてきます。プログラムを見ると、新潟の小児科での発表は当院くらいでしょうか。逆に、地元を代表して参加して来ようと思っています。かかりつけの患者さんにはご迷惑をおかけしますが、ご理解をお願いします。

2日、9日(土)は休診
2010/10/01

当院は、アレルギーの啓発活動にも力を入れています。

いよいよ10月2日に第3回すこやか健康フェアが開催されます。食物アレルギーで困っている県内の子どもたちのために周囲の大人に正しい知識を持って頂きたいのです。新潟の食物アレルギーレベルは全国的にも低いため、我慢を強いられている患者さんを救うためには、医院を休みにしてでも正しい情報を発信しなければなりません。

かかりつけの患者さんや、最近は新患の患者さんが多いのですが、当院を受診しようと考えていた患者さんには申し訳ありませんが、2日(土)は休診にさせて頂きたいと思います。

なお、9日(土)も休診予定です。2週連続土曜の休診は、医院の経営的には相当不利になりますが、下越の方で講演を依頼されており、食物アレルギーの対応で苦慮しているのだそうです。私以外で食物アレルギーの話をできる小児科医は極めて少ないため、私が行かざるを得ないのです。休診にしてまで出かけますので、是非とも少しでも多くの知識を身につけ、子ども達のために活かして頂きたいと思っています。

2週連続土曜の休診は、なにより患者さんにご迷惑をお掛けしてしまいます。しかし、新潟県のレベルアップは私に課せられた課題でもあり、自分のところに来た患者さんだけ診ていればいいとは思っておりません。ご理解の程、よろしくお願い致します。

夏期休診のお知らせ
2010/08/09

都合により8月11日(水)から18日(水)まで休診に致します。かかりつけ、もしくは夏休みを利用して受診しようと考えていた患者さんにはご迷惑をおかけします。

小児科医をやっていると、子どもを思う父、母の想いを強く感じます。些細と思えることでもとても心配し、回復すると心の底から喜んでくれます。だから、私はいい加減な医療をしたくないし、過小診断、過小治療で良くなっていないお子さんを診る度に切なくなります。それを何とかしなければと思っています。

新潟に「アレルギー学」という学問が浸透しておらず、専門施設で学ばせて頂いた者として医師や患者さん、園•学校関係者の方々に「良くなれなければ専門的知識を持った医師に診せなければならない」ということを伝えなければならないと思っています。

当たり前のことですが、アレルギーだけでなく、他の分野でも真面目に取り組んでいるつもりです。必要のない点滴や検査も子ども達が痛がるだけですから、経営に有利と思っても、「これくらいなら点滴は必要ありません」と言っています。これも患者教育の一環だと思っています。適切な点滴の基準を広めたいと思っています。

少なくとも私を頼って下さる患者さんには、“良心的”に接し、治療することが親御さんに対する期待に応えることだと思います。そして、お子さんをいち早く治すように努力することが“親孝行”だと思っています。

休みの間は、今まで大して親孝行もできなかった私に親孝行をさせて下さい。よろしくお願い致します。

2月13日は休診にさせて頂きます
2010/02/12

院内掲示はしてありましたが、2月13日(土)は休診にさせて下さい。

13日は東京で食物アレルギー研究会があります。食物アレルギーは、アレルギーの分野でいま最も注目されています。それはここでもよく述べている通り、経口減感作療法が現実のものになりつつあるからです。

これまでの食物アレルギーの治療はアレルギーの原因食品であるアレルゲンを「食べない」のが基本でした。それが「食べろ」という180度変わった指導が正しいものになりつつあります。食べ続けて体を慣れさせる、というのがメカニズムです。まだ研究段階ですが、意外と結果もよいので専門医も大注目の治療法です。

ミルクや小麦、ピーナッツなど年長児で症状のみられる患者さんは微量でもアナフィラキシーを起こしてしまい、治る見込みが少なく、ひたすら除去を続けるしかありませんでした。幼児の場合は成長とともに軽快していくことが少なくないのですが、小学生に入るくらいの年齢になると寛解が困難になってくるようです。

この治療はこの年代を中心に治療が進められていますので、今まで治らないと思われていたケースに積極的治療ができるようになったと言っていいでしょう。除去のストレスといつ何時アナフィラキシーを起こすかもしれないという恐怖から解放される可能性が出てくるとなると、長年悩み続けてきた患者さんや親御さんには大きな福音となるでしょう。

私も注目していますし、経口減感作療法について最新の情報を得られると思いますし、診療を休んでも聞いてくる価値はあると思います。先日も書きましたが、開業が外来でできる治療かと言えば、しばらくは無理だと思います。少なくとも導入部分は入院が必要だと思います。開業医は治療できないから学ばなくていいかと言われると、それは違うと思います。

あと、今回の食物アレルギー研究会で私も発表してきます。この研究会での発表は初めてですが、日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本小児難治喘息•アレルギー疾患学会でもこれまで発表してきており、これで主だったアレルギーの学会で発表することになるのかなと思っています。

新潟は食物アレルギーの診療レベルが高くないため、日本の第一人者の先生方にご協力をお願いし、新潟のレベルアップに貢献できればいいなと思っています。

以前も書きましたが、いつも休まない医師がいいとは限りません。開業医こそが学会参加は必要だと思います。中にはいまだに10年前の治療をしている医師も一部いるようですが、時代遅れにならないよう常に向上心は持ちたいものです。

この経口減感作療法にしても、なぜ私が知りたいかというと、私の診ている重症食物アレルギーの患者さんが県外の病院に入院してもいいからこの治療をしたいと希望される方もいると思うのです。どんなやり方で、どれくらいの治療成績でどの施設に紹介したらいいかも分かっている必要があると思っています。あわよくば、外来治療が可能になれば、私もこの治療法でかかりつけの患者さんを何とか良くしたいと考えています。

ということで、土曜日は遠方からの患者さんも多いため、ご迷惑をおかけしますが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

1月9日(土)は休診
2010/01/07

1月9日(土)は、福岡で勉強会がありますので、休診にさせて頂きます。よろしくお願いします。

例年、この時期に福岡でアレルギーの最新情報を学ばせて頂ける勉強会があり、私は毎年参加させて頂いています。

いつも言っている通り、開業医は孤独です。自分のやっていることが例え10年前の治療であっても、患者さんを納得させられれば医療”が成り立ってしまいます。やはり医師はもっといい方法があるんじゃないかと、考えながら医療をやるべきだと思うのです。常に新しい治療法に目を向けていなければならないと考えています。

最近、食物アレルギーの専門家の間では、「経口減感作療法」が盛んに研究されています。私は数年前のこの勉強会で初めてその治療法を知り、「こんな夢みたいな治療法があるんだ!」ととても興味を引かれました。案の定、国内の主要なアレルギー専門施設で「経口減感作療法」が研究され、効果を上げています。

また重症ぜんそく患者さん対する抗IgE療法なども注目されています。薬が高価であるなどのハードルがあるようですが、海外では重症な患者さんに有効であることが証明されているようです。

さらに、スギ花粉の飛散する時期に気軽に外出もできずに、憂鬱な日々を過ごしておられる方もいらっしゃると思います。抗アレルギー薬の内服、ステロイド薬の点鼻といった治療法はありますが、効果が今一歩のケースも少なくないと思います。

減感作療法と言って、スギ花粉のエキスを注射して、体をスギ花粉に半ば強制的に慣れさせる治療が以前から行われており、ごく一部の医療機関で実施されています。私の記憶が確かなら7割程度の効果が期待できると思います。注射なので、自宅では治療できないため、頻繁に医療機関を受診するのが最大のデメリットで、それが普及を妨げる要因だと思います。

これもこの勉強会で知ったのですが、「舌下免疫療法」といってスギ花粉のエキスをパンに染み込ませ、それを数分口に含んでから吐き出すと言う行為なら自宅でも対応可能だと思います。この方法が数年以内に実用化されそうだと聞いています。

医学は日進月歩とよく言われますが、私の専門としているアレルギーも例外ではなく、今日述べてきたように効果が期待される新しい治療法が目白押しと言ってもいいでしょう。

もちろん私自身、この治療をした経験がありませんので、すぐに実施できるかは分かりません。ただ、日々病気で苦しんでいる患者さんのために開業医でも、私が治療法を勉強して対応できるのであれば、より良い治療をしてあげたいし、そうすべきではないかと思っています。

話は変わりますが、1月2日に軽井沢に行って来ました。お昼に人気のイタリアンレストランに行こうと思い、車を走らせましたが、「正月2日ならまだやっていないかもしれない」という不安が頭をよぎりました。行ってみると、心配をよそに店はやっていました。美味しく戴いてきました。

人気店ですから、もちろん経営的にも安定しているはずです。「正月くらい休んでも」と思いましたが、軽井沢は人気スポットですから、人出は多く、逆に休まないことで期待に応えているんだろうなと納得しました。

はたと自分の職業について考えてみると、特に子どもはいつ病気になるか分かりません。いつもやっている方が親御さんは安心できるはずです。しかし、医療の世界は治療法が進歩していますので、時々休診にしてでも学会や勉強会に参加することが、患者さんの期待に応えることにつながるのであろうと私は考えています。

医療を商売と考えるか、技術を売る仕事と捉えるか、だと思います。やはり、多くの専門的知識を持っている方が、医師としては強いし、より良い医療ができると思います。当院の特徴は上越市内はもとより、市外からの受診が多いことだと思います。新潟市や長岡市からも通院されている方もいらっしゃいます。その期待に背くようなことはしたくないと思っています。

当院は、他の医療機関よりは休診が多いと思いますが、ご理解を頂きたいと思います。今回はぜんそくやアトピー性皮膚炎、新型インフルエンザの講義もありますので、キチンとした収穫を持って帰ってきたいと思っています。

年末年始の休診について
2009/12/27

院内掲示をしてあったので大きな混乱はないと思いますが、年末年始の休診のお知らせをホームページに載せるのが遅くなってしまいました。

12月29日(火)から新年1月3日(日)まで年末年始の休診とさせて下さい。

なお、28日は通常の診療は午前中で、午後は季節性と新型インフルエンザのワクチンの時間に充てさせて頂きます。かかりつけのお子さんで、調子の悪い方は午前中に受診をお願いします。

午後はインフルエンザの予防接種ですが、季節性と新型ともに余裕がありますので、予約されていなくても、あらかじめお電話頂ければ対応させて頂きたいと思っています。新型については「1歳以上から“高校生”まで」と「1歳未満の子を持つ両親」になっております。

健康な中学生以上の方は接種は1回でよいという方針になりましたので、従来の予定より前倒しされることになり、中学生と高校生(浪人生を含むようです)は1月に入ったら接種できるようになります。

12月22日に改訂された県の方針によりますと、中学生から高校生は可能な場合は年内でも接種していいことになりました。もし、来院が可能でしたらこの年代の方々もご連絡頂いた上でしたら、接種はできると思います。

以上、よろしくお願い致します。

休診のお知らせ(上越のために)
2009/12/03

12月5日(土)は小児アレルギー学会に参加するため休診とさせて頂きます。

新型インフルエンザが流行する中、かかりつけの患者さんには申し訳なく思いますが、ご理解をお願いします。

当院はアレルギーにこだわっています。平成13年と18年に福岡の国内有数の小児アレルギーの専門病院で勉強させて頂き、大きな収穫を手に新潟に戻ってきました。せっかくハイレベルな技術を身につけさせて頂きましたが、当時の知識は徐々に古いものになってきています。日頃から勉強しなければ、アレルギー専門医としての知識や技術を維持できないのです。

ぜんそくやアトピー性皮膚炎の治療もより根拠のあるものが採用され、進歩しています。食物アレルギーに関しては、これまでは「除去」が基本でしたが、まだ研究段階ですが、免疫療法といって「食べさせて慣れさせる」というウルトラC的な治療が注目されています。新潟県には食物アレルギーに理解のある小児科医は極めて少ないので、私が学会に参加して最新知識を学んで来なければなりません。

上越は小児科医も多くはなく、親御さんは「小児科医に診てもらえば充分」と考えている方が多いと思います。いつも言っていることですが、ぜんそくを“風邪”や“マイコプラズマ”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”や“乾燥肌”と診断している小児科医もいます。食物アレルギーもアレルギー検査で判断し、過剰な除去を強いている小児科医もいます。長年、同じことを繰り返しているのだと思います。何度も通っても良くならずに困り果てて、当院に救いの手を求めて受診される親御さんが後を絶ちません。親御さんが思うよりも、各医師の技術の差が大きいことに気づいて欲しいのです。

当院で適切な診断をして治療をすると、1週間でほとんどの患者さんが改善しています。親御さんは「やっぱり違いますね」と言って下さるのですが、私が特殊な技術で対応している訳ではありません。つまり、私が凄いのではないのです。小児科医として当たり前のことをしているだけです。敢えて言わせて頂ければ、努力不足の医師も存在しているのです。

「この時期はインフルエンザの予防接種で忙しい」というかもしれませんが、学会に参加しないでプロ並みの知識を得ることは不可能です。以前も書きましたが、「いつも休まず診てくれる」ことは安心かもしれませんが、違った方向から見ると「この先生、大丈夫だろうか?」と考えることもできるでしょう。

今回の小児アレルギー学会で119題の演題が出ていますが、ほとんどが大学病院やスタッフのそろった専門病院です。当院のようなクリニックからは私も含めて7題しか出ていません。今回は新潟県から参加でなく、発表するのは私だけのようです。それは私のプライドでもあります。

今は3日の2時ですが、学会の準備をしています。診療やワクチン接種で疲れているのは確かですが、発表自体もキチンと勉強しなければ、まともにはできません。後もう少しで終わる予定です(汗)。

よくうちは何百人患者が来るという医師がいますが、医療は人数ではないと考えています。人数が多いと収益が上がるでしょうが、一人当たりの診察時間が短くなり、見落としや誤診が多ければ意味がないと考えています。私欲に打ち勝つとともに、困っている患者さんを救うには技術を磨く努力が不可欠です。

最近の医療は、医学的“根拠”(エビデンス)が必要とされています。私の大学時代の友人で優秀な医師がいますが、もちろん学会に参加して最新知識を得ようと日々勉強しています。ちょっと過激かもしれませんが、彼は「エビデンスのない医療は“お医者さんごっこ”だ」と言い続けています。勉強しているからこそ、そんな強気なことが言えるのだと思います。

開業医は、日々朝から晩まで診察で忙しいので、現実問題として勉強する暇もありません。小児科医は軽症な感染症が多いせいもあり、やや極論かもしれませんが、開業医なら10年前の知識でもやっていけると思います。本当にいつの間にか“お医者さんごっこ”になっているかもしれないのです。私自身、そういう恐怖心は常に持っています。ましてや、開業医は自分と合う人しか来ませんから、「診断が違っているよ」とか「その治療、古いよ」とは誰も教えてくれないのです。

結局は自分との戦いというか、モチベーションをいかに保つかが開業医の存在意義に関わってくると思っています。子ども達の健康を守るには、そうしなければならないと思っています。

私自身、まだまだ勉強が足りないことは重々知っているつもりです。だから、やらなければという気持ちは人一倍強いと思います。これからも学会などで休診にさせて頂くこともあるでしょう。でも、こういうスタイルが小児科の開業医のスタンダードになる必要があるのではないでしょうか?。患者の数を競うのではなく、技術や知識で小児科医同士が切磋琢磨するのがその地域にとって有益だと思うのです。

子どものアレルギーに関しては、当院が上越のファイナルアンサーでありたいと考えています。

夏期休診のお知らせ
2009/08/08

8月13日(木)から15日(土)まで夏期休診にさせて下さい。宜しくお願いいたします。

なお、12日(水)は通常通り午前中のみの診療になっております。ご注意頂きたいと思います。

子ども達は夏休みということで年長のお子さんが初めて当院を受診されるケースが目立っています。「食物負荷試験」の予約もほぼ埋まっておりますが、食物アレルギーでお困りのお子さんは食べられるかどうかシロクロつけたいと思っておりますので、早めにご相談下さい。

ぜんそくやアトピーの調子が悪いというお子さんの受診も多いです。お盆はご家族でゆっくりされたいとお考えでしょう。咳込みがひどかったり、皮膚の痒みの強い方は、適切な治療でなるべく短期間で症状を和らげようと思っておりますので、お早めに受診して頂ければと思っています。

以上、宜しくお願い申し上げます。

上越喘息呼吸不全研究会
2009/06/15

18日(木曜)の夜に上越喘息呼吸不全研究会が開催されます。

上越喘息呼吸不全研究会とは、上越地方のぜんそくの専門医が集まって、定期的に勉強会をやっているのです。以前は、この会には呼吸器内科の先生しかおりませんでした。小児科医が含まれていなかったため、上層部の先生方は小児ぜんそくにも力を入れたいという希望はあったようです。

そんな中、私が上越で開業し、小児ぜんそくの専門的医療を始めたため、私も仲間に入れて頂くことになったという経緯があります。

その上越喘息呼吸不全研究会では、年に一回は日本の第一人者の先生をお招きして、講演会を行っています。それが6月18日に開催されます。ここ最近は、大人のぜんそくに関する講演が多かったようですし、私がメンバーに加えて頂いたこともあり、小児ぜんそくに関する内容になっています。

私は、今回の講演の座長をやるように仰せつかっています。講演の司会進行をする役目ですね。18日の木曜日は早めに診療を切り上げて、研究会に駆けつけなければなりません。以上のような理由で、18日は休診ではありませんが、早めに診療を終了させて頂く予定です。かかりつけの患者さんにはご迷惑をお掛けします。

なお、今回の講師の先生は、私がよく言っている小児ぜんそくの「ガイドライン」の作成委員のメンバーです。小児ぜんそくのニューリーダー的な存在です。私も学会でお会いする度にいろいろと教えて頂いていますし、お世話になっている先生でもあります。

多分、今回のご講演の中で乳児ぜんそくの話も出ると思います。ゼーゼーを繰り返しても“風邪”や“気管支炎”と診断されて、治療不足になっている患者さんもいますので、乳幼児のぜんそくを扱う医師や医療関係者の方々には参加して頂きたいと思っています。

個人的には、人前で話をするのは得意ではないのでうまくできるか心配ですが、やらなければならないため頑張るしかありません(汗)。