例年ですと1月にインフルエンザが流行しますが、この時期はどの医療機関もインフルエンザのワクチンが行われていると思います。当院はアレルギークリニックですので、卵アレルギーの患者も多く、「ワクチンは受けられないですよね?」と尋ねられることが少なくありません。そんな時に「いえ、ほとんどの子供が受けられますよ」と答えています。
インフルエンザワクチンを作る際に、卵の成分が混入している可能性があるから注意するように言われているのですが、一般的にはビスケットやケーキなどの卵製品を食べているお子さんは何の問題もなく受けられることが多いです。卵製品を食べてアナフィラキシーを起こしたことのある子でも、受けられないことはありません。当院は重症な卵アレルギーの患者さんが多いですが、ぜんそくも合併していることが多く、ぜんそく児がインフルエンザにかかると重い発作を起こすことが多いので、是非ともワクチンを受けさせてあげたいと考えています。
重症の食物アレルギーの子供にインフルエンザワクチンをするのは、さすがに私でも緊張します。しかし秘策があるのです。それは「皮膚テスト」をやることです。ちょっと煩雑なのですが、インフルエンザのワクチンを10倍に薄めて皮膚テストをして、その部分が「あまり腫れない」、「腫れる」、「大きく腫れる」の3種類に分けて接種できるかどうか判定する方法があるのです。
皮膚テストをすると蚊に刺された時のように丸く膨らむのですが、それが直径8ミリ以下なら「普通に摂取して可」、9~14ミリなら「2回に分けて接種」、15ミリ以上なら「接種を中止し、アレルギー専門医に相談する」ことになっています。
当院ではインフルエンザワクチンの時間帯に毎日のように皮膚テストをやっています。卵製品を食べてアレルギー症状の出たお子さんも先日テストをやりました。結構腫れて12ミリでしたが、お母さんも希望されましたので行いましたが、何も起きませんでした。新潟病院時代も今の医院でも「卵を食べて症状の出たことのある子」や「重症食物アレルギーで卵を除去し続けている子」の場合は皮膚テストを行っています。お母さんが心配だということで打たなかったケースがありましたが、他はすべて無事にワクチンを終了しています。卵白のアレルギーの値が「6」だったとしてもです。
卵アレルギーがあって、インフルエンザワクチンを希望される方は、主治医から皮膚テストで正確に判断してもらった上で接種を受けることをお勧めします。


