小児科 すこやかアレルギークリニック

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2007年12月05日 更新

当院では「食物負荷試験」にも力を入れています。それは食物アレルギーの専門家が少ない割りに、患者が多いからです。乳幼児の6~7%というデータもあります。

人間は“生きる”ためには食べなくてはいけません。アレルギーが強いとホントに食べるものがなくなってしまいます。少し前までは、いや残念ながら現在でもアレルギー検査通りに食事をしていたら、子供の成長や発達に悪影響があったという報告が散見されています。しかし、実際のところ血液検査が「陽性」であっても意外と食べても何ともないことがあります。こだわって診療していると、いかに血液検査や皮膚テストがいかに当てにならないかを実感できます。最終兵器というか、その答えを出すのが「食物負荷試験」なのです。

その負荷試験ですが、血液検査で目星をつけて卵や乳製品がどのくらい食べられるのかを判断するのですが、それは“経験”がものをいいます。これは個人差があるので、“教科書”には書いてないのです。食べる量ややり方を間違えると患者に蕁麻疹を出させてしまうこともあります。口の周りにちょっと出るくらいならまだいいのですが、中にはゼーゼーや嘔吐など、皮膚以外にも症状が出てしまうこともあります。「食物負荷試験」が普及しない理由は危険が伴うということだと思います。しかし、その危険を乗り越えないとより健全な食生活は送れないと思うのです。

私はこれまでだいたい400例くらい負荷試験を行っていると思いますが、正直いって、症状を強めに出させてしまった経験が4回ほどあります。この頻度が多いのか少ないのかは私には分かりません。しかし、いずれも薬の内服や吸入でまもなく症状は改善しております。ちなみにアナフィラキシーショックと言う危険な状態に陥らせたことは1度もありません。

今後、食物負荷試験は普及していく、というより普及させていかないといけないと思います。これから負荷試験をやっていきたいという先生方の参考になればと思い、名古屋で3日後に行われる日本小児アレルギー学会では反省も込めて強めの症状を出させてしまった4例のケースを集めて報告するつもりです。どこをどうすれば防げたのか、懺悔してきます。