小児科 すこやかアレルギークリニック

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アレルギー疾患診断・治療ガイドライン2007
2008年01月22日 更新

昨年末に上記の本が発売されました。この本は「成人ぜんそく」「小児ぜんそく」「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」の6分野の診断~治療に関する情報を1冊にまとめた、いわばアレルギーのエキスのぎっしりつまった本になっています。この本は私の恩師の先生が中心となって作り上げられました。

私がこの本の気に入っているところは「専門医への紹介のタイミング」が明記されているところです。アトピー性皮膚炎と食物アレルギーはほぼそのまま、他は噛み砕いて書いています。
○小児ぜんそく
1)週に1度は発作や咳き込みがひどい
2)軽いと思っていたら、入院する程の発作を起こした
3)軽くないのに通院してくれない
4)治療が充分でない

○アレルギー性鼻炎
1)青鼻が続くアレルギー性鼻炎
2)軽症でない花粉症

○アレルギー性結膜炎
1)軽くないアレルギー性結膜炎
2)アトピー性皮膚炎の目の合併症(白内障、網膜剥離など)

○アトピー性皮膚炎
1)1か月程度治療しても改善がみられなければ、皮膚アレルギー専門医、小児アレルギー専門医に紹介する
2)掻破痕(引っ掻き傷が多い)、びらん(皮膚がただれている)、苔癬化(皮膚が厚ぼったくなっている)、痒疹(非常に痒い丸い湿疹がある)などを認める時

○食物アレルギー
1)的確な診断を求める場合
2)食品を除去した場合の食事指導が必要な場合
3)保育園、幼稚園、学校で除去食の指示書を求められた場合
4)除去食を解除し、次第に通常の栄養指導を行う場合
5)アナフィラキシーに備えて、エピペン自己注射の処方ならびに指導を行う場合

ここで小児ぜんそくと、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの項目は日本の第一人者の小児科医が書いていますので、この場合の「専門医」とは小児アレルギーの分野の臨床や研究をやっている医師を指していると思います。鼻炎と結膜炎については耳鼻科や眼科の専門医を指しています。当院では鼻炎の治療も行っていますが、特に小児ぜんそく、アトピー、食物アレルギーには力を入れております。

「小児ぜんそく」はキチンと治療すると発作をほとんど起こさなくすることが可能となります。慢性の病気なので、時々発作を起こすのは仕方ないとお思いかもしれませんが、医院に吸入や点滴に通う必要はまずなくなります。治療のガイドラインが整備されてきているので、重症度(言い換えれば発作の重さと頻度)を的確に見極めることができれば、治療は成功したも同然だと思います。当院では、軽症で治療が必要ないと判断されれば、治療は継続していません。一方、軽症でないお子さんの場合は、ご家族に治療の必要性をご理解頂いた上で治療させて頂いております。小さなお子さんでも症状が落ち着けば1か月処方で通院して頂いています。発作を起こしやすい子は“ゼーゼーいいやすい癖がついている”ので、“ゼーゼーを遠ざける癖をつける”のがコツです。またこれも大切なのですが、乳幼児と学童では治りやすさが違うので、治療法も変える必要があると思います。

「アトピー性皮膚炎」も比較的短期集中で皮膚をきれいにするよう治療しています。ポイントは皮膚を安定させて、“皮膚が悪くなり方を忘れてくれる”ようにすることだと思います。その点、ぜんそくと似ていると思います。あとは悪化要因の除去とスキンケアにも力を入れる必要があります。乳幼児は食事が要因である確率も高く、この辺は皮膚科の先生ですと対応は難しいかもしれません。

「食物アレルギー」はアレルギー検査の値だけでは不十分なので“食物負荷試験”をやっていないと的確な指導は難しいと思います。当院は全国的にも数少ない負荷試験をやっている施設として、今後もこだわって診療していくつもりです。考えてみると卵アレルギーなら、“卵が苦手なのを忘れるように除去する”のが治療の基本ですので、やはり共通する部分はあると思います。しかし、最新の情報では症状の出ない程度に食べさせて、体を卵に慣れさせる方がいいと言われています。つまりアレルギー検査が0になるまで除去するのがいいという訳ではないのです。

通院してもお子さんのアレルギー症状の落ち着かない、上記の項目を満たす方はご相談下さい。