ここ上越でも、インフルエンザが流行し始めてきたようです。皆さんもご存知のように、インフルエンザは弱い子供がかかってしまうと、高熱が出て食欲も落ち、重症感もありますので、なるべくかかりたくない病気ですよね。インフルエンザが流行ってくると、どの医院でも忙しいと思いますが、当院ならではの“悪影響”があります。それは「食物負荷試験」がやりづらくなってしまうのです。
この負荷試験は昨日も2~3件やりましたが、一般的な方法はこうです。例えば卵の場合ですと、1個のゆで卵をまず1/16個食べさせて15分後に診察します。異常がないことを確認して、次は1/8個を食べさせます。また15分後に蕁麻疹などが出ていないかを確認して、何もなければ次は1/4個….というように進めていきます。合計で1個食べさせて、何も起きなければクリアとなります。だいたい5~6回に分けて行いますので、ざっと1時間半はかかります。その間、看護師さんに脇についていてもらいますが、私も診療の合間を縫っては患者さんの様子を診にいっています。負荷試験はこのようにとても煩雑で手間がかかり、その上、不用意に負荷すると強いアレルギー症状を起こすリスクを伴うものです。普通の混雑する小児科外来ではまず行うことは困難だと思います。
本格的に流行りだすと、負荷試験で医院の滞在時間が長くなればなる程、インフルエンザを“もらう”公算が高くなります。重症な食物アレルギーの患者さんはぜんそくも合併していることが多く、インフルエンザによってぜんそく発作が誘発される可能性が高まります。そもそもかかっただけで、患者さんである子供を辛いめにあわせてしまいます。以上のような理由から、当院では今の状況から考えると負荷試験は1月いっぱいでいったん中止とし、春になってインフルエンザの流行が終わったら、また再開しようと考えています。
現在、食物負荷試験は“入院”で行う分には保険で認められるようになりましたが、“外来”では認められていません。つまり開業医はすべて“アウト”です。そりゃ、正直言って私もリスクを負って高い技術を提供している訳ですから、それに対する報酬が頂ければとは思いますが、“ボランティア”であっても頼ってくれる患者さんがいる限りは頑張りたいと思っています。
実は、昨日も中越の某市から100キロ以上かけて当院にまで食物アレルギーの相談に来られた親御さんがいらっしゃいました。まさに医者冥利に尽きます。期待に応えなければならないと思い、いつも通りついつい30分くらい熱く話し続けました(笑)。お母さんはかなりご自分で調べて、頑張っていらっしゃいましたが、やはり素人のやれることに限界があります。例えばミルクアレルギーの場合、“乳酸”、“乳化剤”、“乳糖”、“脱脂粉乳”を摂っていいかどうかは一般の方には難しかったりします。専門的な知識がないと効率の悪い「除去」をせざるを得ず、その結果ご家族への負担は更に大きくなります。これだけ食物アレルギーの子供が増えている訳ですから、やはり食物アレルギーについて的確にアドバイスできる医師が全国的にも新潟県にも増えてくれることを切望します。
先のお母さんには、できれば1月中に負荷試験をやりましょうとお話ししました。春になってインフルエンザの流行が終われば、食物負荷試験の再開時期をお知らせしたいと思っています。ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。


