明日は、当院で月に1回行っている「アレルギー勉強会」です。いつも話している内容と異なるので、先週から連日深夜まで勉強会の準備と、スライド作りに励んでいます。正直言って、たまにはのんびり自宅で映画でも観たいのですけどね。
「アレルギー」は、年々患者数が増え続け、今や国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。小児の領域でも、本当に困っている患者さんが増えており、正しい情報を欲しています。今回は1月の福岡での勉強会、2月の食物アレルギー研究会で学んできた“新しい情報”を参加者の皆さんに提供させて頂きます。
今年は「食物アレルギー」の分野が、行政主導でいろいろ変わります。1988年にソバアレルギーの小学生が、学校給食でソバを食べて亡くなってから食物アレルギーが注目され始めたと言われていますが、それから20年が経ち、遅ればせながら、学校を取り巻く環境が変化しようとしています。その“変化”について、いち早くご紹介したいと思っています。
「医学」は科学であり、日進月歩の学問です。近い将来かもしれませんが、これまで食物アレルギーの常識だった「絶対に食べさせるな」から「なるべく食べさせて」に変わってきそうです。といいますのは、「経口減感作療法」といってアレルゲンを極々少量から食べさせ、それを少しずつ増量して、いわば体を無理矢理アレルゲンに慣れさせてしまう、という治療法がさかんに試されています。まさに“逆転”の発想です。まだ研究段階ですが、「有効」と言われており、期待されています。
感染症のご専門の先生に怒られてしまうかもしれませんが、「感染症」の治療はそう変わるものではないため、開業医レベルではそう時代に取り残されることはないと思います。しかし、「アレルギー」の分野は、アンテナを張り巡らせて勉強していないといけません。現実的に、つい最近までぜんそくやアトピーの分野で“なるべく使うな”と言われていた「ステロイド」を、最近は“なるべく使う”と180度変わっています。おくすり手帳をみて、もうちょっとキッチリ使ってもいいのになと思う場合もあります。「経験」に頼っていると患者さんに古い治療を提供することになってしまいます。小児科受診で一番多いのは「感染症」、二番目が「アレルギー」です。私の個人的な意見ですが、アレルギーが差が付きやすい分野だと思っています。今後もこだわって学んでいく覚悟はできています。
脇道にそれてしまいましたが、明日は今後食物アレルギーの治療の中心になるかもしれないような、「経口減感作療法」や「舌下免疫療法」について触れなければいけないと思っております。新しい吸入ステロイドの使い方、テオフィリン関連けいれんのその後などについてもお話しする予定です。
これまでの勉強会の参加者は、だいたい十数名でした。徐々に増えていって欲しいと思いますが、別に参加者が一人であっても手を抜くことはしたくありません。この勉強会は“無料”ですし、“当院かかりつけと限定”もしていません。感染症はほとんどがじきに治ってしまいますが、アレルギーは何年も症状を繰り返し、苦しめられることが多いので、ただ純粋に困っている患者さんに、“正しい知識”をじっくりと学んで頂き、患者さんの人生を「より子供らしく」、「なるべく制限なく」送って欲しいと考えているからです。実際、これまで何人も他施設に通院中の患者さんも参加して下さっています。要は、それだけ“情報”というものは得られそうで得られないんだなと思います。
アレルギーのような慢性疾患はすぐには治らないために、日頃の生活指導が大切になってきます。患者さんがこれだけ多くなってくると、他の先生方にもこういう活動をやって頂きたいというのが私の本音です。どなたかご協力していただける医療関係の方がいらっしゃいましたら、ご連絡ださい。


