相変わらず、来院患者さんのうちアレルギーの子供さんがほとんどを占めています。近頃は、ちまたの感染症は減ってきていますが、当院の患者は特に減っていないように思います。
当院は、他院に比べて待ち時間が長く、いつもお待たせして申し訳ないので、アレルギーの患者さんの症状が落ち着くと、すぐに2週間や1か月処方するようにしています。皮膚の患者さんもたっぷり軟膏を出して、「塗り薬がなくなったら再診」なんて言ってます。それでも忙しい日々を送らせて頂いております。
この春から、国の方針で“診療時間”は5分かけた方がいいそうです。“5分”というのは「丁寧な診察をして、患者さんが納得する診療」をするには、それだけの時間が必要だという判断からです。混んでいる医院では、感染症の患者さんが多いでしょうし、実際のところ一人当たり5分もかけていられないだろうと思います。一般小児科では現実的でない気がします。しかし、かかりつけ医に「忙しそうで、なかなか聞くに聞けない」と思う方も多いようで、患者さんにとっては朗報といえるのかもしれません。
当院では、逆に5分で収まることが少なく、先日も重症食物アレルギーの子の親御さんに2時間かけて説明し、納得して頂きました。これは極端としても、当院は困っている患者さんには、20分でも30分でも納得して頂くまで時間をかけています。初診でなくとも、ぜんそくの子が風邪を契機に悪化する場合も、親御さんに病気の性質を知って頂く機会ですので、説明は長くなってしまいます。またアトピーもなかなか良くならない場合は、悪化要因を充分時間をかけて問診し、“なぜ良くならないか”を考えないといけません。
小児科外来には、感染症などの「急性疾患」とアレルギーなどの「慢性疾患」の子供が受診されます。アレルギーはすぐには治らないので、いつも言っている通り“3分診療”では不十分です。“5分”で事足りる訳ではないですが、成人領域でも生活習慣病も増えてきていますから、慢性疾患にも力を入れて下さいと言う意向なのでしょうか。しかし、別に国が示さなくても、時間をかけなければならない分野が「アレルギー」なのです。今後の当院の診療スタイルに影響は与えませんが、多少は有利な方針のようで、ありがたいと思っています。
アレルギーを志したからには、企業でいう“不採算”な部分にも力を入れていきたいと思っています。「食物負荷試験」は高度な技術と知識、場合によってはアナフィラキシーというリスクを伴います。しかも2時間くらいかかってしまいます。保険で認められていないので、医院への収入はゼロです。これも国が決めた方針ですが、“やりたくて”やっているので、別に不平はありません。負荷試験をやらなければ、園や学校に提出する“正確な”「アレルギー診断書」すら書けませんし、最近、4歳や6歳まで卵の“完全”除去を続けていた患者さんが受診されますが、その度に心が痛みます。こういった患者さんを減らさなければなりません。負荷試験は誰がやらなくとも、私は続けるつもりです。「気道過敏性試験」も、身体を休める大事な時間ではありますが、医院の休みの日に1時間かけて行なっています。ぜんそくの治療を止めていいかどうか、治っているかどうか判断する大事な検査です。自分の持っている技術で確認できるのならEBMに沿って調べてあげたいじゃないですか。また無料の「勉強会」も、我が子のために正確な情報を欲しがっている患者さんご家族のために続けるべきものと捉えています。
“医者は技術を売る”というの私のポリシーですが、“売れなくても”これらは患者さんのために継続すべきと考えています。患者さんの「よりよい生活」のためです。医院にとって“損得”なんてレベルの問題ではないのです。
今後も、国が言い出す前から続けている“こだわり”の医療を行い、アレルギーでお困りの患者さんに信頼して頂けるよう頑張っていきたいと思っています。


